診療放射線技師ってどんな職業? どうすればなれる?
世の中にはたくさんの職業があります。どんな仕事内容で、どういう人が向いているのか知っておくことは、自分の可能性を広げるためにも、大いに役立つでしょう。今回は現代のチーム医療の一員として欠かせない「診療放射線技師」を取りあげます。
診療放射線技師とは?
「放射線」は病気の検査、治療のために利用されるものです。その取り扱いには専門的な知識が必要となります。
「診療放射線技師」は、医師や歯科医師の指示に基づき、X線やその他の高エネルギー放射線を人体に照射する医療技術者であり、体の内部を調べるだけでなく、がん細胞を破壊して治療に役立つラジオアイソトープ(放射性同位元素)など、先進的な医療を行っています。
診療放射線技師の仕事の内容
先ほど触れたように、診療放射線技師は放射線を使って体を検査することが主な仕事です。具体的には、次のようなものがあります。
・ 一般的X線撮影:主に、胸部の病気を調べる。
・ 消化管造影検査:食道・胃・十二指腸・小腸・大腸の病気を探す。
・ CT検査:「コンピューター—断層撮影法」のこと。体の断面図、骨や臓器を3D画像で確認。
・ 超音波検査:高い周波数の音を体内に送り、その反射波を画像にします。
その他、血管検査、骨密度検査、マンモグラフィー(乳房撮影)、がん細胞に放射線を当ててがん細胞を消滅させたり、増やさないようにしたりする「放射線治療」などがあります。
診療放射線技師になるために必要な資格
診療放射線技師になるためには、国家試験である「診療放射線技師試験」を受験し、合格する必要があります。受験資格は、養成課程のある大学や短大、専門学校などで3年以上必要な知識、技能を習得することです。
国家試験の合格率は、年により多少の変動はあるものの、おおむね70%台で推移しています。2014年の合格率は76.5%でした。
診療放射線技師の将来性は?どんな性格の人が合っている?
医療技術が大きく進歩する中、検査においても治療においても高いニーズのある診療放射線技師。この仕事を続けていくためには、生理学、解剖学などの医学知識だけでなく、画像を作るための電子工学、コンピューターの知識など、さまざまな最新知識が必要となります。好奇心が旺盛で、新しいことに取り組むチャレンジ精神を持つ人に向いているでしょう。
また、「放射線」という特殊なものを人体に対して使用するため、技術に対してはもちろんのこと、人に対してもきちんと向き合う責任感、高い注意力も求められます。