この時期、塾を変えるべき? [中学受験 5年生]

保護者の役割は、成長に応じてベストのタイミングで働きかけ、環境を整えていくこと。5年生を対象に、塾や指導法を変える場合、注意すべき点について取り上げます。



この時期、塾を変えるべき? [中学受験 5年生]


■数多くの保護者が一度は考える「転塾」

5年生の2学期は学習内容が難しく、成績が伸び悩みがちな時期なので、塾を変えるべきかと考える保護者のかたも多くなります。受験本番まであと1年と少しですから、この時期に別の塾や学習法を検討してみるのはよいことです。

「転塾」を考えるきっかけとして一番多いのは、成績の低下です。3週以上続けて成績が落ち続けている場合、回復が難しくなりますので、お子さまの様子をよく見て原因を見極める必要があります。単に疲れてモチベーションが落ちている場合、1週間も休めばまた元気に通えることも。やる気がない状態で無理して通わせるよりは、お休みしたほうがずっといいのです。「塾を変える前にまず休ませる」ことも大切です。
また、子どものやる気は先生しだいで変わってきます。先生との相性がよくなければ、担任を変えてもらうか、転塾を検討すべきかもしれません。



■変えたほうがよいのは「頭を使っていない」場合

はっきり「変えたほうがよい」といえるのは、お子さまが「頭を使っていない」場合です。
これは特に算数が顕著で、子どもの解答のしかたをよく観察するとわかってきます。解き方を丸暗記している問題だけはできるけれど、覚えているのと少しでも違った問題だとできない。知っている問題はできるけれど、知らない場合はまったく歯が立たない。こういう場合は、頭を使う習慣が付いていないということですので、今は成績が多少よくても、あとで苦労します。
頭を使えていない場合は、一斉指導より個別指導のほうが向いています。ただし、個別指導は指導者によってかなり効果に差が出ます。うまく子どもの気持ちや発想をすくい取り、発言を促して、考える力を育ててくれる先生が理想です。では、そのような先生をどのように探せばいいのでしょうか。



■どこに変えるか、誰に相談する?

塾の先生との相性が悪いわけでもないのに、成績が上がらない場合は、その先生に転塾も考えていることも含めて相談してみるとよいでしょう。成績が落ちていること、考える習慣が育っていないことなど状況を正直に話して「来週だけでもいいので、成績を上げていただけないでしょうか」と。保護者がお願いすれば、先生もがんばってくれますし、子どもは目をかけられることで伸びていきます。成績が一度上がれば自信が付き、やる気も上がって、塾を変える必要がなくなるかもしれません。

今の塾の先生に話しにくい場合は、同じ塾で、通いやすい系列校の先生に相談するのもよい方法です。同じ塾内なら、どんな子にはどの先生が向いているか情報が蓄積されていて「算数はA校、国語はB校でとるとよいですよ」などと教えてくれるケースもあります。
また、家庭教師センターや個別指導塾で、一度体験指導をお願いしてみるのも一つの方法です。家庭教師センターにはさまざまな塾の子が来ており、各々の塾の指導法に関する情報も蓄積されているので、お子さまの性格や理解度に応じ、どんなところが合っているか、客観的なアドバイスをもらえる可能性があります。



■転塾の際の注意すべき点

塾を決定する前に、一番よいのは授業を見学することですが、見学不可のところもたくさんあります。その場合、最低限チェックしておきたいのはカリキュラムとテキストです。やる気が低下している場合や、考える習慣が付いていない場合は、カリキュラムの進度はゆっくりめで、先生の解説が丁寧なほうがよいでしょう。テキストを見られれば、例題の難易度や、1回の授業で何ページくらい進むかといったことがわかります。
「子どもの考える力を引き出してくれそうなのはどこか」という観点で、塾や指導法を選ぶことが大切です。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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