大学入試、医学部や歯学部など、資格を取れる理系学部が人気
センター試験本番まであと数か月、本格的に志望校の決定を検討する時期となった。そこで、ベネッセ教育総合研究所の村山和生氏に志望学部のトレンドや志望校決定の際に気をつけたいこと、出願に向けての受験戦術について解説してもらった。
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ここ数年、将来の就職を踏まえた実学志向による理系人気が続いています。昨年の入試でも相変わらずその傾向は続いており、今年の1学期に実施した模擬試験の結果から、今年も引き続き同じ傾向が続くと予想されます。中でも医学部医学科、歯学部、薬学部、保健衛生系など、資格がイメージできる学部学科は人気です。
昨年はグローバル時代というトレンドの中で、国際関係の学部学科も非常に高い人気となりました。今年も同じ傾向が続くと思われます。志望の際に注意してほしいのが、必ず学問の中身までしっかりと確認をすることです。
「グローバル系」と呼ばれる学部で何を勉強するかというと、実は大学・学部によってさまざまです。同じような学部・学科名称でも、社会学的なアプローチをするところもあれば、語学修得に重点を置いているところもあります。大学・学部によって重きを置いている学問内容や、身に付くスキルも違いますので、保護者も一緒に詳しく調べてみてください。
この時期は、入試日程の情報はもちろん、募集要項や大学案内という形で、各受験生にとって必要な各大学の入試関連情報が、出揃ってきます。大幅な入試変更は少ないですが、大学によっては、センター利用方式の廃止、4教科型・5教科型を3教科型1本に絞るなどの入試方式の変更、指定科目の変更などが見られます。自分が準備をしてきた教科・科目で受験できるか、第1志望校はもとより併願校についてもしっかりと確認しておきましょう。
また、保護者にとっては、合格発表日と手続き締切日の確認も重要です。たとえば併願校の手続き締切日が第1志望校の合格発表日より前の場合、仮に合格しても、二重に入学金などを納めなければいけないなどということになりかねません。そろそろ、具体的な入試日程のシミュレーションを始めることを、おすすめします。