迫る中学入試本番 直前で逆転狙うなら「おいしいところ」を優先
中学受験において、多くの子どもたちを悩ませているのが算数。特に苦手意識を持ったまま、受験本番が目の前に近付いているというケースも少なくないはず。そこで、算数が苦手な受験生の保護者からの相談に、平山入試研究所の小泉浩明氏がアドバイスをする。
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【質問】
計算を除いて、算数が全体的に苦手なようです。簡単な文章問題なら、少しヒントを与えるとできるのですが、入試レベルの応用問題になると行き詰まってしまうようです。基礎から徹底的にやり直しましたが、やはり受験まで間に合いませんでした。これからの対応を教えてください。(小6女子を持つ母親)
【小泉氏のアドバイス】
「やはり受験まで間に合いませんでした」という文面から、入試本番を直前に控えているか、あるいはすでに入試が終わっているのか判断に迷いました。今回は前者、入試直前の場合の対応としてご質問にお答えします。
残された時間を最大限に生かすためには、最も効果が期待できそうな勉強法に切り替えるべきでしょう。その方法とは、志望校に頻出の単元で、しかもお子さまが、得意ではないにせよ、それほど苦手ではない単元から、1つずつ潰していくやり方です。
まずは、過去に出題された入試問題(過去問)を分析して志望校の頻出単元を特定します。そして、その中でも取り組みやすそうな単元を選べたら、今まで勉強していた教材を使ってその単元をつまずいているレベルから復習していきます。この方法であれば2週間程度で1つの単元のレベルアップは可能だと思います。そして、そのペースでこなしていけば、受験までに3~4単元は潰すことができるでしょう。
頻出単元ですから出題される可能性が大きく、勉強した成果も得点結果に反映される可能性が高いと思います。要は、「すべてを徹底的にやり直す」のではなく、「出題されそうなところ、少しの努力でより効果が出そうなところ、つまり“おいしいところ”から最優先に潰していく」という考え方です。
入試直前の時期は特に、受験生は不安にさいなまれることが多いでしょう。ただでさえ不安ですから、今回のように「直前での逆転」をねらう場合には、他の生徒たち以上に集中して、しかも明確な目的意識を持って勉強することが必要です。