子どもはやる気があるが「中学受験をやめさせたい……」という保護者の悩み
親子ともに、覚悟の上で決めた中学受験でも、厳しい現実を目の当たりにし、「受験をやめる」という選択が頭をよぎることがあるかもしれない。森上教育研究所の森上展安氏は、そのような相談は多くはないというが、小5の娘をもつ保護者からはこんな質問があったという。
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要約すると、公立中高一貫校受験のため、娘が塾通いを始めたが、今のままでは合格するのは非常に難しい様子。本人はやる気だが、かなりのストレスがかかっており、どこまで体力・気力が持つか不安。受験をやめる時期の目安を持っておくほうが良いのだろうか、というものだ。
森上氏は公立中高一貫校の受験の厳しさを次のように語る。
「公立中高一貫校では、合格した生徒が抜けていくことが少ないため、少なくとも6~7倍の応募倍率がそのまま実質倍率となり、合格を勝ち取るのは大変です。また、公立中高一貫校と私立中高一貫校の入試問題は、試験の性格がまったく異なるため、私立中学校のような正確な合格可能性の判定は難しいのが実情です。私立には進学しないと決めている場合は、公立中高一貫校の一発勝負となり、合格できるかどうかストレスが強くかかります」
そして、森上氏は受験をやめてしまうことは「子どもにとっては、最後まで成し遂げられる自信が持てない負の経験を積ませることになります」とアドバイス。せっかくの向上心を生かせるようにしてほしいと話す。