親の引っ越しで転校、子どもの心のケアはどうすればいいの?

親の都合で引っ越し、転校をしたお子さまの心のケアはどのようにすべきでしょうか。引っ越しした後、お子さまが元気のない様子を見せたり、泣いたりする場合には、特に大人によるケアが必要です。また、平気そうに見える場合にも、お子さまがすっかり慣れるまで十分気をつけるようにしましょう。


時間が解決してくれることがほとんど

 大人であっても、新しい場所に慣れるのには時間がかかります。お子さまのほうが早いかもしれません。基本的には時間が解決してくれるものですが、最初の数日から数週間は、お子さまを見守ることを優先しましょう。ただし、「よく話を聴いてあげる」ことが重要です。不満や不安、今までの学校と違うこと、今日学校でどんなことをしたのか。まずはじっくり話をさせ、頭の中と感情を整理させましょう。

 

もちろん、「どうして引っ越しをして、転校することになったのか」という理由も、理解できる範囲で十分に説明しましょう。勝手に物事が進んでいったことに対する不満から、新しい環境を受け入れられないでいる可能性もあるため、お子さまが家族の大切な一員であることを伝え、理解してもらいましょう。

 

 

新しい世界も大切、でも今までの世界も大切に

 新しい世界に早く目を向けてほしいと考え、以前の学校の友達のことを話さないようにしたほうが…と考えることもできますが、それではお子さまの心も疲れてしまいます。日中学校で精いっぱい気を張っているお子さまのために、以前の学校の友達と触れ合える機会を持つのもよいかもしれません。直接会える距離であれば遊ぶ約束をする、あるいは、距離がある場合には電話やテレビ電話、インターネットの無料通話などを利用する方法もあります。手紙をやりとりするのもいいでしょう。

 

お子さまにとっては今までの世界もとても大切です。急につながりが切れてしまうのはとても悲しいこと。可能な限り、安心しリラックスして話せる相手との時間を確保し、緊張感を解いてあげることも必要です。

 

 

友達の中に入り込みやすい状況を作る手助けをする

 ひとりでも共通の話題がある友達がいると、転校先のクラスでも安心でき、友達の輪も広がりやすくなります。新しい学校のクラスではどんな話題が多いのか、お子さまから情報を引き出してみましょう。というのも、お友達との関係をより深めるためには、「会話が弾む」ということも必要であるため、どんな話題があるのかを知る必要があるのです。

 

その内容について親子で話し、話のネタになることを増やしてみましょう。知識が増えることで、お友達と話すきっかけができるようになるかもしれませんし、そこまで行かなくとも「共通点がある」という安心感がお子さまの緊張をほぐしてくれます。

 

また、親自身がお手本として、引っ越し先の環境に慣れ、楽しく暮らすことで、お子さまも安心して環境に入り込みやすくなります。

 

 

プロフィール



平岡亜紀:公認心理師、産業カウンセラー、研修講師
NPO法人ひさし総合教育研究所 理事
特定非営利活動法人自立支援ネット我孫子 心理師
スクールカウンセラーとして長きに渡り学生・親・教員の相談に従事。心療内科、福祉施設のほか、企業でのキャリア開発、メンタルヘルス対策など多様な人たちが抱える問題にも応じている。

倉持鎮子:自身も7歳、11歳の子どもを育て、育児・食育・親子問題についての執筆を行うライター。医療・健康・体の不思議、子育て中にもできる美容などにも触れ、さまざまな面から「子どもとの生活」についてのライティング実績がある。講師業では、「脳と体を考える食育」についての情報を提供。

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