“センス・オブ・ワンダー”を幼児期に育むことの大切さ【PR】

 プログラミング、AI、クラウド…。今の子どもたちが成人になる頃には当たり前に使いこなしている科学技術だ。社会基盤のパラダイムシフトが起きている今、子どもたちに“科学する心”を植えつけたいと願う親は多い。
 <こどもちゃれんじ>は2018年度から年中・年長向けに、科学実験を通じて子どもの好奇心を育む「サイエンスプラス」を導入。身近にある不思議な現象からサイエンスへの興味を引き出し、実験を通じてワクワクしながら知力や好奇心、探究心などを身につけさせるのが狙いだ。開発を担当したベネッセグローバル商品開発部<じゃんぷ>「サイエンスプラス」編集長の鷲巣弘明さんに教材の特色を聞いた。

——<こどもちゃれんじ>でも十分に好奇心は育まれると思いますが、あえて「サイエンスプラス」を設けた理由は何ですか。

 <こどもちゃれんじ>各コースの教材には、「なぜ?」「どうして?」という好奇心を育むしかけはありますが、一つの事象をじっくりと観察し、科学的な思考力を養うコースがあってもいいと考えました。
 社会人になってから特に強く感じるのですが、世の中の課題は、答えが一つであることはほとんどなく、さまざまな解決方法や考え方があることの方が多いです。仮説を立て、実験して分析し、自分なりの答えを出すことを、幼児期の発達段階で、楽しみながらたくさん体験するには、サイエンスという題材が向いていると考えました。

 年中、年長さんぐらいになると、語彙が増えコミュニケーション能力も高くなります。おうちのかたと実験しながら、自分なりに考えたり予測を立てたり、より発展的に物事を考えられるようになります。

 2018年度からの新設を決めたのは、親御さんからの期待が高かったことがきっかけです。小学校で習う理科の先取りをしたいという声もいただきましたが、私たちとしては、理科の先取り学習とならないよう、自分なりに考え、確かめることの楽しさや喜びを届けたいと考えました。数年前から準備し、満を持して2018年度からスタートすることになりました。

——開発するにあたり最も留意したことは?

 お届けした教材を活用することが、科学的な思考の練習の場となるよう、教材活用の導線を設計しました。すぐに答えを出すのではなく、子どもがふと立ち止まって考え、疑問をもつような「引っ掛かり」を随所に設けました。自分なりに「考え」「確かめ」「理解し」、さらに「自分で工夫してやってみる」という科学的な思考や行動を、親子で楽しみながらやっていける教材にしました。

 2ヵ月に1回、実験キットとガイドブックをお届けし、映像や実験キットを使って科学への興味を引き出し、試行錯誤しながら実験することで、科学的なものの見方や考え方を伸ばしていきます。図鑑から得た知識だけではなく、体験を伴って得た学びは記憶に残ります。

 しまじろうが登場するWeb映像では、その月のテーマの興味を引き出すような問いかけをし、実験の手順をわかりやすく解説します。実験キットで驚きを体験してもらい、ガイドブックでは実験の結果や自分の気づきを確認し、学びを深められるようになっています。

 たとえば、年長さん8月号の冷却実験では、凝固点降下という難しい現象を扱うのですが、年長さんにイメージをもってもらうために「ひえひえパワー」という言い回しで説明しています。また、アイスづくりをゴールに設定することにより「やってみたい」気持ちが高まります。子どもにとって身近な言葉・題材・現象を用いることで、好奇心や探究心をもちやすくなるよう工夫しています。また、子どもだけではなく親にとっても発見があり、一緒に楽しめるような内容にしています。子どもたちがワクワクしながら知的好奇心を育み、順序立てて思考が繋っていくよう、毎号教材を練っています。

——「サイエンスプラス」は初めての教材。ゼロから作る難しさがあったのでは?

 カリキュラムがないところからのスタートだったので、思考の座標軸を探すことから始めました。最も悩んだのが「科学的な原理にどこまで踏み込むか」でした。例えば、BTB溶液を用いた色水実験では、水溶液の特性に応じて示す色の違いや変化を観察するのですが、酸やアルカリの説明は、年長さんには難しすぎる内容です。そのため「水溶液の特性に応じて、常に同じ反応を示す」という科学的な現象を体感するところまでにとどめ、自分なりに考えて発見があった喜びに重点を置くようにしました。

 より良い教材を求め、監修の先生がたにご意見をいただき、毎週のように親子のモニターを観察して是正点を洗い出し、作り直し、再び先生がたからご意見をいただく…という作業を何度も繰り返し完成させました。苦労した分、達成感はありますね。
また、毎号の実験が楽しみになるようなテーマ選択や提供順、写真の見せ方などにも徹底してこだわりました。

 隔月のお届けにしたのは、その月の実験テーマで学び、そしてその応用編の実験を身近なもので楽しみ、そのテーマに満足した頃に次の実験キットが届くという、ひとつのテーマにじっくり向き合えるサイクルにしたかったからです。

——教材を開発するために信念にしていることはありますか。

 学びをひろげる「良い問い」とは何か、をいつも考えています。日々修行です。
手帳に挟んでいる大切な写真があります。当時年中の息子が、植物園の大きな水槽に浮かぶベゴニアの花びらに手を伸ばしている一枚です。同じベゴニアでも色や形が違うこと、押し沈めても浮かび上がってくること、花びらの表面を水玉が転がっていくことなど、親子で気づいたことなどを話し合っていました。
すると向かい側にいた会話の少なかった親子が、私たちの会話に自然に参加し、同じ目線で観察しながら親子同士で学び、互いの会話が響き合う心地よい時間になったんです。

 私は、このベゴニアの花が浮かんだ水槽のように、全国のご家庭でさまざまな問いかけや学び合いのきっかけをお届けできたらと願っています。水槽に切り花を浮かべるという、さりげなく、粋な「問い」が、私たち親子にひとつの事象について深く考えるきっかけを与えてくれました。気づくことの楽しさ、学びあうことの喜びを象徴的に示したあの風景を忘れないよう、写真を常に手帳に忍ばせているのです。

 「サイエンスプラス」は、科学的な知識や正しさを、親が子に一方的に与える教材ではなく、科学的な思考を通して、自ら考えることの喜びや、「わかった!」という小さな成功体験を親子で重ねるきっかけとなる教材を目指しています。

(文=吉井妙子)

プロフィール


吉井妙子

スポーツジャーナリスト。宮城県出身。朝日新聞社に勤務した後、1991年に独立。同年ミズノスポーツライター賞受賞。アスリート中心に取材活動を展開し2003年「天才は親が作る」、2016年「天才を作る親たちのルール」など著書多数。

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