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総合監修:二瓶 健次 先生
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病気と予防アドバイス - 心とことば
お気に入りの本にもかかわらず、かなり細かくなるまで破いてしまいます。ストレスを感じた行動なのか心配です。
家事などで目を離し、ひとりになると、すぐにお気に入りにもかかわらず、かなり細かくなるまで本を破いてしまいます。知っているものが載っていると指差して声に出してものの名前などを言ったり、しぐさをまねたりと、本を見るのは好きです(一緒に読むのは拒みますが)。
根気強く言い聞かせるしかないのでしょうか? ストレスを感じた行動なのか心配です。
ストレスと言うよりも衝動的に破いてしまうのでしょう。おうちのかたと一緒に絵本を楽しみながら、絵本は破くものではないことを教えてあげてください。
絵本を破いてしまうのは1歳前のお子さんによく見られます。この時期は絵本がおもちゃのひとつで、ページをめくったり絵をじっと見ていることはあっても、破くことに対する興味の方が強いからです。当然、破いてよいものとそうではないものの区別もついていません。
1歳から1歳半にかけて少しずつ言葉が発達してくると、絵本への関心が高まり、楽しさもわかってきます。絵本を見ながら指差しで大人にものの名前を聞いたり、知っているものを指差すことができるようになり、1歳半ごろにはお気に入りの絵本も出てきて、盛んにおうちのかたに読んでほしがるようになります。そして絵本は破くものではないことがわかってくるのです。
何らかのストレスが原因であれば絵本を破くことだけではなく、ふだんのお子さんの様子や遊び方にもいろいろな問題が表れてくるはずです。ストレスというよりも自分の中で何か気に入らないことがあると破く、ただ破きたいという衝動にかられて破いてしまうのかもしれません。
お気に入りだった絵本でも、破いてしまえばまったく執着しなくなるようであれば、まだ絵本というものが十分に理解されていないのでしょう。
絵本に限らず破くことを好むのであれば、破いてもよいものを与え、絵本は破いてはいけないということを教えていかなければなりません。
おうちのかたと一緒に読むことを拒むようですが、お子さんに読み聞かせようと思わずにおうちのかたが自由にお話をしてあげ、一緒に絵本を楽しんでください。絵本を通してのお子さんとのコミュニケーションはとても大切です。
それでも破くことが続く、おうちのかたが一緒に見ることを拒む、ひとり遊びを好む、声を出してものの名称を言ったりしぐさをまねしているときも自分のペースでおうちのかたに注意を向けようとしない、衝動的な行動があるなどご心配な点があれば、発達についてご相談ください。