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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 心とことば
脱毛症のような状態になりました。子どもにはストレスがあるのでしょうか?
今年の初めくらいからでしょうか、脱毛症のような状態になりました。初めはかんしゃくを起こしたときに髪の毛を引っ張って抜けたのだと思っていましたが、いろいろな場所にできてきました。
今は短い毛が少しずつ生えてきていますがこのままでよいのか不安です。子どもにはそんなにストレスがあるのでしょうか?
円形脱毛症と思われます。増えてくるか、拡大するようなら、一度皮膚科へ行って相談した方がよいでしょう。
子どもの髪の毛が抜ける原因には、大人にもよく見られる円形脱毛症と、自分で髪の毛を引っ張ってむしってしまう抜毛症とがあります。
それ以外にも、頭皮にアトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎のような炎症があるために、毛根が弱って抜ける場合や、寝ている時間が長い乳児で後頭部などいつも下になっていて擦れる部位の毛が抜けてしまったり、髪をいつも同じ場所で強く引っ張ってゴムで束ねたりすることによっても抜けるポニーテイル脱毛などがあります。
どの種類の脱毛かは、頭皮の状態や、抜け方、毛根や切れ毛があるかどうかで判断します。
円形脱毛症は以前はよくストレスが原因と言われていましたが、最近ではアレルギー説の方が有力です。確かに明らかなストレスがあって抜けている場合もありますが、子どもの場合、要因がはっきりわからない方が多いのです。また、大人が考えているようなストレスとは違い、かんしゃくを起こしたり、叱られたり、何か思うようにいかないことがあったり、あるいは高熱が何日か続くような身体的なストレスで抜けてくる場合もあります。
脱毛している箇所が、どんどん拡大したり、数が増えてくるようなら、皮膚科へ行って治療する必要がありますが、短い毛が少しずつ生えてきているようでしたら自然に治る可能性もありますので、もう少し様子を見てもよいと思います。なるべくゆったりと子どもと接し、あまりせかしたり、イライラした怒り方をしないように心がけて、かといって神経を遣いすぎることもなく、自然に接しましょう。
皮膚科での治療法には、塗り薬、飲み薬、液体窒素を使う療法などいろいろな方法があり、症状に応じたやり方を探していくことになります。