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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 心とことば
白髪を見つけました。何かストレスを感じているのでしょうか?
白髪を見つけました。子どもに白髪が生えるのは何かストレスを感じているのでしょうか? 食生活に問題があるのでしょうか?
最近、生活態度や言葉遣いなど、叱ることが多くなりました。両親共働きで、幼稚園のお迎えから晩ごはんまでおばあちゃんとふたりで過ごしています。親に甘えたい気持ちと、叱られないようによい子にしようとしていることがストレスになっているのでしょうか?
白髪がパラパラとまばらに1本ずつ生えているのでしたら、特に病気とは言えません。ある箇所だけに束になって白髪が生えているのでしたら、尋常性白斑(はくはん)という病気が考えられます。一度、皮膚科を受診しましょう。
子どもに白髪が見られる場合、1本ずつまばらにパラパラと生えている状態と、ある箇所だけに束になって生えている状態では、状況が違います。
1本ずつまばらにちらほら白髪があるというのは、いわゆる「若しらが」と呼んでいるものと同じで、特に病気ではなく体質的なもので、ときに遺伝性も見られますが、ストレスや食事などともまったく関係がないと思われます。
一方、ある箇所に限定して、まとまって白髪が生えている場合は、尋常性白斑といって、皮膚のメラニン色素が作られなくなって皮膚の肌色が抜けたように白くなる病気が、頭皮に起こった状態です。
髪の毛の黒い色も、皮膚を肌色や茶色に見せているメラニン色素によって形成されています。髪を作っている毛根部の皮膚に、尋常性白斑という病気が生じ、メラニン色素が一時的に形成されなくなると、その部位の皮膚も髪の毛も白くなってしまいます。
これは、一種の皮膚の病気で、その病態(病気の原因と成り立ち)はまだ完全によくわかっていませんが、あながちストレスとまったく関係がないとは言いきれません。
円形脱毛症というストレスと関連があるとされている病気がありますが、これと尋常性白斑がよく似た病気と考えられ、同じ治療薬が使われることがあります。白髪が束になって生えているようでしたら、この尋常性白斑が考えられ、さらにほかの部位にも広がる可能性もありますから、一度皮膚科を受診して、適切な塗り薬や内服薬を処方してもらうとよいでしょう。普通、尋常性白斑は食生活に原因はないと考えられています。
また、たとえご両親が共働きでも、幼稚園のお迎えや晩ごはんまでちゃんとかわいがってくださるおうちのかたがいらっしゃるなら、あまりストレスと考えなくても大丈夫だと思います。
ただし、帰宅されてからの短い時間や、休日一緒にいられる時間は十分に会話やふれあいを多くもたれて、親も楽しんでしっかりスキンシップされれば、共働きだからストレスが多いということにはならないと思います。
必要以上に気にされず、それより少しでも一緒にいられる時間は十分かわいがってあげてください。