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総合監修:二瓶 健次 先生
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病気と予防アドバイス - 心とことば
医者に「多動ぎみ、3歳までに落ち着かなければADHD」と言われましたが、家庭ではそうは思えません。ぜんそくの治療に使う薬の影響ではないのでしょうか?
お医者さんに「多動ぎみ、3歳までに落ち着かなければADHDだ」と言われました。
息子は、病院やスーパー、保育園の体験クラスなど、同年代の子どもがたくさんいる場所に行くと、興奮して走り回ってしまいます。保育園の体験クラスでは落ち着いて工作をすることができず、ひとりで外へ出ていってしまいそうになります。家庭では、長時間おもちゃや絵本で遊ぶことができ、特に落ち着きがないようには思えません。
現在、ぜんそくの治療中です。「治療に使うお薬の影響では?」というかたもいるのですが、息子の落ち着きと関係があるのでしょうか。
ちょっとした刺激で興奮状態になるお子さんでも行動面、情緒面で問題がなければあまり心配されることはありません。もう少しお子さんの理解がついてくると多動は落ち着いてきます。
同年代の子どもがたくさんいる場所に行けば、どのお子さんもうれしくて興奮してしまうものです。興奮の度合いが強いと走り回ったり、ほかのお子さんにやたらとちょっかいを出すといった行動が見られます。
ご相談のお子さんの場合、おうちでは落ち着いて遊びに集中でき、外に出ると落ち着きがなくなってしまうようですね。まわりの刺激に反応しやすいタイプなのかもしれません。
保育園の体験クラスで落ちついて工作ができないとのことですが、それはおそらく興味がなかったり、思うようにできなかったからでしょう。2歳のお子さんにとって興味のないことをがまんしてやらなければならない状況はかなり苦痛です。
ADHDと診断されるお子さんは、赤ちゃんのときからかんしゃくを起こすなど気難しさをもっていることが多くあります。
また幼児期になると言葉が遅い、こだわりがある、お友だちとのコミュニケーションがうまく取れない、多動で目を離すとすぐに行方不明になる、道路に急に飛び出すなど、親にとっては気が休まらない状況が続きます。
落ち着きがない、動きが多いことだけではADHDとは言えません。
少々動きが多くてもお子さんの理解や興味が広がってくると多動は必ず減ってきます。走り回って興奮状態のときは何を言っても耳に入りません。一度その場から離してクールダウンさせるか、少しの間おうちのかたが抱っこして気持ちを落ち着かせてあげましょう。
なお、ぜんそく治療薬と多動の関係はありませんので心配されないでください。