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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 心とことば
1歳10ヵ月ころから話し出し、かなり言葉も増えているけれど、どもるようになった。どのように対処したらよいのでしょうか?
2歳2ヵ月の娘ですが、言葉を話し出したのは1歳10ヵ月ころからでした。現在はかなり言葉も増えていますが、ここ1~2ヵ月くらいどもるようになりました。
特に母音が多いように感じますが、例えば「お茶」などは、おおおお…となり、最近では「お茶」と言うことを途中であきらめてしまいます。
お友だちと遊んだり、音楽教室などへ行くと遜色(そんしょく)なく遊ぶことはできます。このままくせづいてしまうと、将来いじめや自己表現などに問題が出そうで不安です。今はこちらから直したりせず、ゆっくりと話せるようにしているつもりです。
どのように対処したらよいのでしょうか。なお、私は現在妊娠8ヵ月です。
吃音(きつおん)は言葉が急速に進歩するこの時期によく見られることです。あまり神経質にならないで、ゆったりと接してあげましょう。
2歳から3歳にかけては言葉が急速に進歩し、興味も広がって、「これ何?」「どうして?」といった質問を盛んにするようになります。
おしゃべりが増えてきて、言いたいことがたくさんあるのにまだ思うように言葉が出ないため吃音となってしまうことがこの時期にはしばしば見られます。言葉の最初の音を繰り返したり、長く伸ばしたりしてお子さんがしゃべりにくそうにしている様子を見ると心配になりますね。
でもこれは発達の過程で生じる一過性のもので言葉の獲得がしっかりしてくると自然に消えていきます。また何らかの不安や緊張状態におかれている場合にも吃音が見られることがあります。
ご相談のようにお母さんが妊娠中の場合、弟や妹が生まれてからなどお子さんにとっての環境が変わるときに吃音が出ることが多いようです。
お母さんの妊娠で今までのように抱っこができなくなったり、外に出て遊ぶ時間が減ってしまうこともあるでしょう。また自分の弟や妹が突然家に現れてお母さんを独り占めできなくなってしまうこともあるでしょう。お子さんにとってがまんをしいられる場面が多くなるのです。
お子さんが吃音を出すことがあったら、まずはできる範囲でスキンシップを増やしてみましょう。体を使った遊びを取り入れ思う存分遊ばせることも必要です。
お子さんが話しにくそうにしていてもせかしたり、言い直しをさせないでください。お子さんに話し方を意識させることになりかえって悪化する場合があります。
言葉が出るのを待ってあげること、どうしても言葉が出ないときは、おうちのかたが代わりに言ってあげましょう。
歌で吃音になることはありませんので遊び感覚で少しリズムをとってあげるのもよいでしょう。
吃音を起こしやすいお子さんの特徴として繊細で過敏な面をもっていることが少なくありません。おうちのかたの不安な気持ちが伝わってしまうのです。おうちのかたが神経質にならず、吃音は必ずよくなると信じてゆったりと接してあげることが一番大切です。
少し経過を見て、吃音がひどくなるようなことがあれば、小児科にご相談ください。