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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 心とことば
保育園に慣れず、3ヵ月で退園しました。その後も昼間はずっと「ママ、ママ」と言って昼寝から起きて大泣きし、情緒不安定のようで悩んでいます。
子どもが1歳のときに復職し、保育園に入れましたが、病気ばかりで3ヵ月で退園しました。
保育園には慣れず、激しく泣いたり、食事はいやがって顔をそむけ食べなかったようです。その後はずっと祖母に自宅で面倒をみてもらっています。復職して1年になりますが、昼寝から起きて大泣きし、ママに会いに行くといって聞かず、情緒不安定なようです。
また偏食が激しくなり、最近どんどん食べなくなってきました。また知らない人がいる所へ行くのをいやがり、大泣きして帰ってくるということがよくあります。夜泣きもひどく、1歳半になるくらいまでは1晩に10回以上も起きていました。
仕事を辞めて一緒にいてあげた方がいいと言われ、自分でも悩んでいます。
おうちのかたとの信頼関係がきちんとできていたり、お子さんが十分に楽しめるものがあれば、母子分離の場面でもそれほど大きな問題とはなりません。しかし、症状もかなりがんこなようですので、一度小児の専門病院にご相談されることをおすすめします。
おうちのかたが復職されるときに、スムーズに母子分離ができないお子さんはたくさんいます。おうちのかたと離れる不安が強く保育園になじめなかったり、そのストレスで病気を繰り返したりすることもあります。
しかし、本来子どもには適応力があります。昼間はおうちのかたがいないという状況をだんだんと理解するようになってきますし、ほかに楽しいことが見つけられると不安も減ってくるものです。
ご相談のケースは復職されてもう1年になるのに、お子さんの状態はあまり変わらないようですので、単なる情緒不安定ということだけではなさそうです。
そろそろ2歳になりますが、このころになると簡単な会話ができ、言葉によるコミュニケーションがとれるようになります。お友だちとはまだじょうずに遊ぶことはできませんが、子どもがいる場面を好み、自分から興味を向けてかかわり、まねをすることもできます。遊びも自分の好きなものがはっきりしてきて、集中して遊ぶことができるようになります。
こうした言葉、社会性などの発達には問題ないでしょうか?
また、おうちのかたがお仕事から帰っていらしたときのお子さんの反応ですが、うれしさを体全体で表し、抱っこや一緒に遊ぶことを要求したり、言葉で何か伝えようとする様子が見られるでしょうか?
おうちのかたの顔を見てもあっさりしていたり、一緒に遊べないというのでは問題です。
おうちのかたにただまとわりつくだけではなく、おうちのかたとの愛着関係がきちんとできていることが大切です。おうちのかたとの信頼関係ができていれば、離れてもそれほど不安が強く出ることはありません。
ほかに発達面で気になることは夜泣き、知らない人がいる所へ行くことをいやがる、極端な偏食が見られることです。
過敏さ、こだわりがあると場面への適応が難しくなります。
いきなり保育園という集団に入れることは難しいかもしれませんので、昼間お散歩に出て、ほかのお子さんとふれあう時間をもつことが必要です。お友だちに興味を向けて自分からかかわっていけるようでしたら、少しずつお友だちと一緒にいる経験を増やし、慣らしていくことが大切です。
発達についてご心配があれば一度小児の専門病院を受診されることをおすすめします。