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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 心とことば
すぐにかみついたり、ヨーグルトなどを開けるのも口を使うなど、暴力的なところが気になります。
1歳から保育園に通っている女の子です。上に2年生になるお姉ちゃんがいます。3歳になり、ずいぶん言葉も多くなってきて、とてもかわいく話してくれますが、暴力的なところが気になります。
自分がほしいと思ったり、こだわっているものを友だちに取られたりすると、だれにでもすぐにかみつくのです。この前私もかまれ、傷がつくほどでした。ヨーグルトなどを開けるのも口です。
小さい犬を飼っているのですが、加減なく投げたり首を絞めたりして、優しくしようと口で説明しても、なかなか変わる様子がありません。また、じっとしていることも苦手で、よく動き回りますし、ひとりで家族の目の届かない所にも行き、平気なようです。いろいろな障害の話を聞くので、この子は大丈夫かと心配です。
かみついたときは叱るよりもまずはお子さんの気持ちを落ち着かせてください。言葉だけでは理解できないことも多いと思いますので、具体的に行動で示し教えてあげることが必要です。
幼児期のお子さんは気に入らないことがあったり、思い通りにならないときにかみついたりたたいたりすることがあります。叱られると親に向かってくることもあります。
こうした行動は特に2歳から4歳の間によく見られます。大人の言っていることがまだ十分に理解できず、自分の気持ちを抑えることが難しいのです。
また社会性も未発達ですので自分の行動が人からどう見られているかという意識はなく、平気で繰り返すことがあります。しかし3歳を過ぎますと状況や場面の理解ができるようになり、また言葉も発達してきますので少しずつがまんをすることができ、かみついたりたたいたりといった行動ではなく、言葉を使って解決することができるようになります。
ご相談のお子さんは3歳半ですがかみつくということだけではなく、落ち着きがない、加減ができない、親から離れてひとりでも平気などいくつか少し気になる点があります。
おしゃべりはしていてもさまざまな対人関係場面での言葉の使い方がまだよくわかっていないことと、社会性の発達も少し未熟のようにも思われます。
小学校2年のお姉さんがいますが、お姉さんとの関係はいかがですか。仲よくやっていることと思いますが、お姉さんからいつも抑えられているようなことがあると、その発散として激しい行動にでてしまうこともあります。よく観察をしてみてください。
お子さんがかみついたときは、叱ったり体罰を与えるようなことは避けてください。
困った行動があるとどうしても叱られることが多くなります。「かんではだめ」と言われてもお子さんの怒りは治まりません。叱られると、余計に自分の気持ちが混乱し興奮状態になってしまいます。
「取られていやだったね」などお子さんの気持ちを共感してあげましょう。そのあとでトラブル場面での対処の仕方を具体的に、例えばお友だちに何かを取られてしまったときは「返して」と言うか、あるいはおうちのかたや保育園の先生に助けを求める方法などを教えてあげるとよいでしょう。
犬に対しても、優しくなでるなど実際におうちのかたがお子さんの手をとって加減を教えてあげましょう。
これは保育園でも同じように対応していただくことが必要です。4歳ごろまで様子を見て、同じような状態が続くようであれば専門機関で診察および発達のチェックをされることをおすすめします。