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総合監修:二瓶 健次 先生
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病気と予防アドバイス - 心とことば
サ行、シャ行、ツがどうしてもうまく発音できません。
サ行、シャ行、ツがどうしてもうまく発音できません。
現在ドイツで生活中なので、こちらの医師にも状況を説明しにくくまだ相談はしていません。耳の異常かとも思い、確認してみたところ聞き取りはうまくできていそうです。
例えば私が「イチ」と言って、数字の「1」と「うち」の絵のどちらかに指を指すように言うと答えられます。本人もがんばって発音しようとしているのですが、どうしても「サ」は「チャ」に、「ス」は「チュ」になってしまいます。舌足らずにしてはもう5歳になるので心配です。
就学前までに正しい発音ができれば問題はありません。あまり神経質にならず、遊び感覚で発音の練習をしてください。
正しい発音ができないという場合に、まず考えなければならないのは聞こえの問題です。
滲出性(しんしゅつせい)中耳炎を繰り返していたり、何らかの聴力の問題があると発音不明瞭(ふめいりょう)で正しい発音が困難となります。
また発達全般に遅れがある場合には言葉の発達が遅れるのと同様に正しい発音をするための器官の発達にも遅れが見られます。
聞こえや言語発達に問題がない場合は、口や唇、舌、のどなどの器官の動きがスムーズではないことが考えられます。口腔(こうくう)内の問題がないにもかかわらず、何となく発音がはっきりせず、特定の音が出しにくかったり、間違った発音になることがあります。
こうした発音の幼さは就学を迎える頃まで残ることも多く見られます。
なかでも特に「サ」行、「シャ」行は難しく、「かさ」が「カタ」「カチャ」になるのはよくあることです。
この「サ」「シャ」は発音するときに舌が平らな状態になっていなければなりません。「サ」が「チャ」になってしまうのは舌先が前歯、歯茎にふれているためです。
家庭でできることのひとつに、上下前歯から舌を平らに出させ、舌先の中央部にストローをのせ、歯との間に挟んで息を出させる練習をしてみてください。一度コツを覚えると発音は矯正されていきます。ただし、あまり真剣に練習をさせてしまうとお子さんに必要以上に発音を意識させてしまい、かえって力が入ってしまうことがあります。
ご相談のお子さんはドイツに住まわれているそうですが、ドイツ語とバイリンガルで話しているのでしょうか。ドイツ語は日本語に比べて濁音、破裂音が多いですので、ドイツ語環境も影響しているかもしれませんね。
本来はお子さんが正しい音を聞き、たくさんおしゃべりをすることで自然に発達してくるものですのであまり神経質にならないようにしましょう。就学前までに正しく発音ができれば問題はありません。