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総合監修:二瓶 健次 先生
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病気と予防アドバイス - 心とことば
下の子が上の子のおもちゃをグチャグチャにしてしまいます。また、テレビのいじめの場面などを子どもに見せることで精神的ショックなどはあるのでしょうか。
2歳になったばかりの下の子が、上の子が高く積み上げた積み木の家や、きれいに並べたミニカーの列などをグチャグチャにしてしまいます。上の子は「やめて」と言いながら、ときには泣きながら下の子の手をたたいたり、ギュッと強く握ります。手を出してはいけないと言ってもわかってくれません。どのようにすればよいのでしょうか。
また、テレビのいじめの場面で、「死ね」といって川に友だちを落とし、おぼれさせるところがあり、子どもたちには見せたくないのに、夫は「川はおぼれたりする怖い所だと知るので見せろ」と言います。
また、殺人シーンなども子どもに刺激が強すぎるのではと見せたくないのですが、精神的ショックはどうなのでしょうか。
ときにはひとりで十分に満足して遊べる時間をつくってあげ、おうちのかたは上のお子さんと下のお子さんの橋渡し役となるとよいでしょう。また、刺激的なテレビの映像はできるだけ避けた方がよいと思われます。
上のお子さんがせっかく作ったものを下のお子さんが壊したり、グチャグチャにしてきょうだいげんかが始まる、こんなシーンはどこの家庭でも見られることです。何でも破壊していく下の子に「怪獣」と名づけていたお子さんがいました。
上のお子さんにとっては、下のお子さんがまさにわけのわからない「怪獣」と思えてしまうのでしょう。下のお子さんに壊されて悔しい思いをすることも必要ですが、いつもがまんばかりというのもよくはありません。
かといって2歳になったばかりの下のお子さんに「手を出してはだめよ」と言っても理解できるものではありません。上のお子さんのしていることに興味があり、まねをしたがる時期ですので、つい手を出してしまうのはしかたのないことです。
大切なのは、上のお子さんがじっくり遊べる場面もつくってあげることです。また、おうちのかたに時間の余裕があれば3人で遊び、きょうだいが一緒に遊べるようおうちのかたは橋渡しをなさってみるとよいでしょう。上のお子さんが作ったものをほめてあげることも忘れずに。
おうちのかたのひと言で上の子の達成感は倍増します。きょうだいのバランスはとても難しいですがどちらかを叱ったり注意するよりは、3人で楽しく遊ぶ時間をもつことも大切です。
テレビは刺激の強いものは避けた方がよいでしょう。
まだこの年齢では現実とテレビの中の世界の区別がつきませんので、いじめや殺人シーンなど刺激的な映像が目に飛び込んできたら、かなり恐怖感を覚えるお子さんもいます。テレビの映像だけで川は怖い所とインプットされてしまうと、場合によっては川に行くことができなくなることもあります。
例えば川が危険であることを教えたいのでしたら、実際に川に連れて行き、そこが楽しい場所であることや、水の流れの速さなどを経験させてあげ、そのときに注意をしなければならないことを教えてあげましょう。
子どもは経験の中から危険を理解していきます。