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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 心とことば
頻尿で病院を受診したところ、「菌が出たあとの後遺症」とのことで抗生物質を処方されました。
3歳の娘が、4、5日前から頻尿になり、ひどいときには10分間隔でトイレに行ったり、トイレに行くもののおしっこが出なかったりするため、病院に行きました。
尿検査の結果、「菌はいないが微量の出血がある、菌が出たあとの後遺症かもしれないので、薬を飲ませて様子を見ましょう」と、抗生物質が3日間分処方されました。できるだけ服用させたくないのですが、飲まないとトイレに行く回数は減ってこないのでしょうか? 何かに没頭しているときにはトイレに行かないようです。
心因性の可能性もあるので、少し様子を見ながら、再検査をするのがよいでしょう。
この年齢のお子さんが頻尿の症状を示す場合には、膀胱炎(ぼうこうえん)による場合と心因性の場合が多いです。
膀胱炎というのは、ばい菌(主に大腸菌など)による膀胱の感染によるもので、通常、高い熱と頻尿(尿がしたくなって、繰り返しトイレに行く)が特徴です。このときに尿を調べると、尿の中の白血球が増えています。また、多少の出血を伴うこともあります。
感染により膀胱や尿道が刺激されることにより、排尿中枢が刺激され膀胱に尿がたまっていないのに、尿意がもよおされます。それで頻尿になるのです。
膀胱炎が治るとともに頻尿はなくなってきます。膀胱炎の治りかけに、尿に顕微鏡でわかる程度の微量の血液が混じることはあることで、もしかすると、受診の際は、このあたりのことを指摘されたのかもしれません。
もうひとつの心因性の場合は、もともと神経質な傾向のあるお子さんが、何らかの原因で精神的に緊張したり、ふだんなかったおもらしなどをしてしまったあとなどに、おしっこのことが心配になり頻繁におしっこに行くようになる場合です。
この場合は、熱はなくていつものように元気にしており、何かに集中しているとトイレに行かなくなるのが特徴です。また、頻尿があるときの尿の検査で白血球が出ていないなどから容易に診断されます。この年齢のお子さんには結構多いものです。
何かお子さんが緊張するような環境の変化がなかったか、新しい経験がなかったかなどを注意して見てあげてください。心因性の場合は、心配ありませんので、気を紛らわすようにして、そのまま様子を見ていれば自然に頻尿はなくなってくると思います。
ご相談のお子さんの場合、膀胱炎であるとすれば、抗生物質をしっかり服用して膀胱炎を治しておくことが原則です。ただし、現在尿にはっきりと膀胱炎の所見がなさそうですので、主治医にご相談のうえ、もう一度尿を調べてみてからでもよいかもしれません。