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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
生活・健康・安全アドバイス - 家庭での対応
両親共働きで、子どもと向き合う時間が十分とれません。コミュニケーション不足によって将来何らかの問題は出てくるのでしょうか。
核家族で両親共働きのため、生後9ヵ月から保育園に預けております。
母は早朝から働いて、子どもが目覚めるときには既に家を出ていて、休日出勤も多く、帰宅後、眠る前に少しだけ遊ぶという毎日です。父親と一緒にいる時間もそれほど長くなく、言葉をかけることも少なめです。
最近は家に帰ってきてからは抱っこをせがみ、下ろそうとすると大泣きで、夜中もよく大声で何度も泣きます。このような状況が続くと、娘に将来大きな問題が生じてしまうのではないかと心配です。コミュニケーション不足によるリスクはありますか。
コミュニケーションは量より質です。何か問題が起こるのではと心配するよりお子さんからのサインを見逃さず、対応してあげましょう。
仕事と育児を両立させるのはとても大変なことですね。仕事が忙しくてお子さんとかかわる時間がもてないと、何となく後ろめたさを感じてしまうこともあるでしょう。親子の十分な時間がとれないからといって必ずしも問題が生じるというわけではありませんので心配しないでください。
一緒にいる時間よりもその間にどのようなかかわり方をしているかが大事です。
お子さんの相手をしていても、おうちのかたが家事を気にしながら無理に付き合っているようではお子さんの気持ちは何も満たされません。たとえ短くてもその時は100%お子さんに向き合い、その時間を楽しむことが大切です。
保育園で問題と思われる行動がなければあまり神経質にならないでください。保育園に行き始めた9ヵ月といえばお子さんにとっておうちのかたの存在が大きくなり、きずなが強くなる時期です。それまでの間に十分にお子さんとの時間をもち、親子のきずながしっかりとできていれば大丈夫です。
保育園ではたくさんの刺激があり、また規則正しい生活はお子さんの成長に欠かせないものです。おうちのかたひとりが育てるのではなく、保育園でも先生やお友だちとのコミュニケーションを通して育ててもらっているのです。
日中離れていた分、家に帰ったらたっぷり抱き締めてあげましょう。
1歳になっていろいろな事が分かる半面、自己主張も強くなります。保育園生活に慣れてきたのと同時におうちのかたと離れている寂しさを強く感じ、抱っこを要求して大泣きしているのでしょう。
昼間の興奮や不安、寂しさをまだ言葉で伝えられないために夜中に泣いたりすることもあります。
そうしたお子さんからのサインは見逃さないようにしましょう。仕事の疲れやストレスで気持ちの余裕がないとイライラすることがあるかもしれませんが、この時期は少しがまんするようにしてください。
もう少し理解や言葉が発達し、保育園生活を十分に楽しみ発散できるようになると落ち着いてきます。
今は少し手抜きも必要です。明日できることは明日に回し、その分お子さんに向き合ってあげましょう。
またこれから言葉が発達してきますので、できるだけ言葉をかけてあげることも忘れないようにしましょう。