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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
生活・健康・安全アドバイス - 家庭での対応
先日、急に泣き出しそのままひきつけを起こしました。それ以来、泣きすぎるとまたひきつけるのでは、と心配です。
11ヵ月になる男の子ですが、先日遊んでいるところをお風呂に入れようと抱っこしたら、急に泣き出しそのまま息を吸わずにひきつけてしまいました。みるみる紫色になり、体は硬直してしまい、本当にビックリしました。30秒くらいで息を吹き返しましたが、病院に連れて行くと泣き入りひきつけでは?と言われました。
それからはあまり泣きすぎるとまたひきつけるのでは…と心配でつい甘やかしてしまいます。
またひきつけてしまったときの対処や、このままではしつけがどうなるのかと心配です。どのようにしたらよいでしょうか?
お子さんの状態から泣き入りひきつけと思われます。心配はありません。
1歳前後の赤ちゃんが、急に泣き出して、息を吸えなくなって顔色が紫色になったり、体が硬直し、意識がなくなることもあります。ときにはけいれんの様な状態を起こしたりします。しかし、そのあと息を吹き返し、顔色も元に戻り、元気になります。泣き入りひきつけ、あるいは憤怒けいれんといいます。
泣くべくして泣いたような場合にはあまり起こりませんが、自分が予期していないようないやなことに遭遇して突然泣いたときに多いようです。
小出しに泣いてくれるとよいのですが、一気に泣こうとするので息ができなくなってしまいます。1歳前後がピークで2歳ころ(ときには3歳ごろ)までにはだんだん少なくなり、なくなっていきます。
発作の途中でおうちのかたが大声で背中をたたいたりするとますます泣いてひどくなってしまいます。静かに様子を見ることが最良です。
ただ、息を吹き返すときに、気管にものを詰まらせないように、口の中に何も入っていないことを確認しておいてください。ときには1日に何回も起こることもあります。心配しなくてもよいとはいっても、この様子はおうちのかたにとっては命が縮む思いです。
泣き入りひきつけでそのまま息が止まってしまうことはないこと、泣き入りひきつけは将来、知能障害やてんかんに移行することはないことを念頭において対応してください。
予防法は特にありません。精神安定剤なども効果はありません。泣かないようにと日常、過保護にする必要はありませんが、突然叱ったり、いやがることをしたり、転んだりといった予期せぬ刺激をしないように心がけてください。
生後6ヵ月以前に、泣き入りひきつけのような状態があったり、泣き入りひきつけのあとに体の麻痺(まひ)が残ったり、意識状態が悪いような場合、また、泣き入りとは別にけいれん発作があるような場合は、専門の医師と相談してください。