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総合監修:二瓶 健次 先生
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生活・健康・安全アドバイス - 家庭での対応
おたふく風邪になると、どんな症状が出ますか。かかったら、どんなことに気をつけたらいいですか。
よく一緒に遊んでいる近所のお友だちがおたふく風邪になってしまったようです。
おたふく風邪になると、どんな症状が出るのでしょうか? かかってしまったら、どんなことに気をつけたらいいですか?
おたふく風邪の病原体「ムンプスウイルス」に感染すると、主に耳下腺(じかせん)がはれて痛みます。かかってしまったと思ったら、早めに小児科を受診してください。
おたふく風邪はウイルス性の感染症のひとつで、うつる病気です。
人間の唾液腺(だえきせん)(唾液を分泌する所)には、耳の下にある「耳下腺」、あごの下にある「顎下腺(がっかせん)」、舌の下にある「舌下腺」の3つがあり、おたふく風邪の病原体「ムンプスウイルス」に感染すると、そのうち主に耳下腺がはれてきます(顎下腺がはれる場合もあります)。
耳の下からあごのラインがはれて、はれた所を押すと痛がるのが典型的な症状で、左右両方が同時にはれることもあれば、片方ずつはれたり、全然はれない場合もあります。
ムンプスウイルス以外にも、唾液腺がはれる原因となるウイルスや細菌があるので、おたふく風邪であるという確実な診断をするのが難しいケースもあります。
せきなどの飛沫(ひまつ)感染でうつり、その潜伏期間は2〜3週間と長いため、うつらなくて大丈夫だったかなと思ったときに症状が出ることもあります。
おたふく風邪は頭痛、嘔吐、発熱を伴う「無菌性髄膜炎」、「ムンプス難聴」などさまざまな合併症や後遺症を起こすことがあるため、もしかかってしまったと思ったら、早めに小児科を受診してください。
ムンプスウイルスそのものに効く薬はありませんが、はれの痛みがひどい場合は鎮痛剤を処方します。
つばを出すときに唾液腺が縮んで痛みが増しますので、ご家庭ではすっぱいものや脂っこいものを避けて、薄味の食事にしてあげてください。はれた所が痛いようでしたら、炎症止めや痛み止めのために冷たいタオルで湿布してあげるといいでしょう。おたふくかぜは任意接種ですが、予防接種で防ぐことができます。お子さまのために、ワクチン接種をぜひ受けておきましょう。