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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 歯に関すること
転んで上の前歯の隣の歯が1本抜けました。保隙(ほげき)装置をつけた方がいいのか、それともこのままにした方がいいのか、教えてください。
転んで上の前歯の隣の歯が1本抜けました。保隙(ほげき)装置をつけた方がよいとありますが、転んだときに近くにあった歯医者では、入れ歯のようなものは、成長に影響するのでこのままにしておいた方がよいと言われました。小児歯科にも行ってみる予定ですがどうなのでしょうか?
保隙装置は使った方がよいでしょう。成長に影響することはありません。むしろ使うことでのメリットの方が多いと思います。小児歯科医に相談してください。
転んで前歯を失ったことで、受傷時の痛みは癒(い)えても、笑うと前歯がないことからその都度思い出したり、まわりの人に言われたりして、おそらく本人はつらい思いをしているでしょう。
それらを解決するためにも、できるだけ早く保隙装置を入れてあげましょう。
一般に歯の交換期よりも明らかに早く歯を失ってしまうと、隣の歯がそのすき間に寄ってきて、次に生えてくる永久歯のためのスペースが狭くなったり、下の歯(対合歯と言います)が伸びて、やはり上の歯が生えるスペースが不足します。
したがって、保隙とは乳歯あるいは永久歯を早期に失った場合、その歯のスペース(空隙)を保持することです。また早期に歯を失うと咀嚼(そしゃく)や発音などの機能にも障害をきたします。
保隙装置には取り外しのできるものと、固定してしまうものがあります。
お子さんの場合は一般的には取り外しの装置が適応でしょう。子どもは常に発育、成長しています。あごも同様です。したがって発育や成長を阻害しないような保隙装置が必要です。そのような工夫が既に専門的に行われています。
ただし装置を使い出したら定期的に成長に合わせて調整が必要です。一度作ったら入れっ放しというわけにはいきません。ぜひ小児歯科医に相談してください。
なお平成26年度社会保険診療報酬改定により、外傷により乳歯を失った場合の医療乳歯義歯(保隙装置)は保険適応となりましたので、ぜひ相談してみましょう。