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総合監修:二瓶 健次 先生
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体の部位アドバイス - 歯に関すること
虫歯予防にフッ素塗布がいいと聞いたけれど、家庭で行うよりも歯科医で行う方が効果はあるのでしょうか?
虫歯予防にフッ素塗布がいいと聞きました。家庭では市販のものを使っていますが、自治体や歯科医で行っているフッ素塗布の方が効果が高いのでしょうか?
予防効果は、同程度です。お子さんの状態に合わせて選ばれるとよいでしょう。
むし歯予防として行われるフッ素剤塗布法には、1.家庭で行われるフッ化物配合歯磨剤、2.自治体などで行われる洗口剤、3.歯科医院で行われる歯面塗布があります。
洗口とは、フッ素溶液を口に含んでぶくぶくうがいをして、吐き出す方法です。
4歳児以上の園児や小学校の児童に適応されますが、まだぶくぶくうがいのできないお子さんには応用できません。この虫歯予防効果も20〜50%と言われています。
また、数ヶ月〜半年に1回歯科医院で塗るフッ素剤は2%フッ化ナトリウム溶液です。この虫歯予防効果も20〜50%と言われています。
これに対して、家庭で使われるフッ化物配合歯磨剤は、歯ブラシ使用が習慣化した日本では、フッ化物濃度は少ないが毎日使われるので最も有効とされています。
したがって毎日のフッ化物配合歯磨剤の使用と、年に数回歯科医院でフッ素剤を塗って貰うのが理想的です。
しかしそれもお子さんの「う蝕(しょく)感受性」(虫歯になりやすいか否か)によります。
※アメリカ歯科医師会発行の雑誌:TheJournaloftheAmericanDentalAssociation(JADA)より。
一度、保健所や歯科医院で「う蝕感受性」テストを受けるとよいでしょう。
両親やきょうだいに虫歯が多い家系や、「う蝕感受性」の高いお子さんは両方を併用し、「う蝕感受性」が低い場合でも、年に1、2回歯科医院で塗布してもらうとよいでしょう。
歯科医院でフッ素塗布を行う場合は、歯をきれいにみがいてから塗りますので、ふだんの歯みがきがじょうずにできているかどうか、また、歯の状態も合わせて診てもらえるというメリットもあります。
フッ素は歯が生えたばかりほど効果があります。乳歯は生えてから2年、永久歯は生えてから4年間が最も効果があります。したがって、乳歯は生後7〜8ヵ月から2歳半ごろまでに歯が生えそろうので、4歳半〜5歳ごろまでを目安にフッ素を応用するとよいでしょう。
また、永久歯は6歳ごろから生え始め12歳ごろに最後の歯がそろうので、6歳〜16歳ごろまでにフッ素を応用するとよいでしょう。
また、最近では高齢の方の歯の根に出来るむし歯の予防にもフッ素が有効との報告があり、フッ素剤は全年齢を通じて有効です。