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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 歯に関すること
歯について0歳8ヵ月
寄せられたご相談
「歯がため」とは何のためにあるのでしょうか。
7ヵ月を過ぎるころにようやく待望の歯が生えてきました。娘のまわりにあるものすべてが「歯がため」に…。彼女専用の歯がためはすぐに飽きてしまってリモコンやテーブルの縁までもが歯形だらけの状態です。
赤ちゃんにとっての歯がためとは、歯を強くするためのものなんでしょうか? そのままにさせてあげた方がいいのでしょうか?
そもそも「歯がため」って何ですか?
先生からのアドバイス
池田 正一 先生
この月齢で何でも口に入れるのは、目と手の協調運動と、もののかたちや性状を学んでいるのです。刃物など危険なものを避け、そのままにさせてあげてください。
生後6〜7ヵ月、下の歯が生え始めるころ、また離乳食が始まり、口からものを食べ始めるころ、赤ちゃんは何でも口に持っていってしゃぶります。
これは、目で追って確かめたものを手でふれ、手に持って口に運ぶという目と手の協調運動を学習しているのです。そしてもののかたちや性状、すなわち、かたいものか、やわらかいものか、弾力があるものか、強くかむと痛いものか、大きさは? 味はどうか、などを次から次へと口に入れては、確認し、学んでいるのです。
スリッパのかかとの部分なども大好きですが、ハサミやナイフなど危ないものを避けて、好きにさせてあげましょう。
“歯がため”を辞書で読むと、正月の三が日の間、鏡もち、イノシシなどを食べる行事で「歯」は「齢(よわい:年齢のこと)」の意味で、齢を固め、長命を願ったもの、とあり、また乳児の玩具、まだ歯の生えていない乳児がしゃぶって歯茎を固めるとあります。
しかし、医学的には歯茎を固めるという意味はなく、前記の理由です。