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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 歯に関すること
虫歯0歳7ヵ月
寄せられたご相談
虫歯菌はうつると言いますが、歯がまだ生えていなくても一度口の中に侵入した菌は消えないのですか?
よく虫歯菌は大人からうつると言いますが、赤ちゃんの歯がまだ生えていなくても一度口の中に侵入した菌はもう消えないのでしょうか?
先生からのアドバイス
池田 正一 先生
虫歯菌は歯の表面に住みつくので、歯がないとたとえ口の中へ入っても住む所がないので消えてしまいます。
赤ちゃんはお母さんの体内にいるときは無菌ですが、出産したとき(産道を通ったところ)からばい菌がつき始めます。
それが口の中にもすみついて常在菌となります。この常在菌がいるからほかの余計なばい菌による感染から守られているのです。
赤ちゃんの口の中で一番多く見られるのが、唾液(だえき)連鎖球菌というもので、これは主に咽頭(いんとう)や舌背(舌の表面)など口の粘膜にすみついています。ほかには、グラム陰性球菌や、カンジタ菌などがあります。
ところで虫歯菌(ストレプトコッカスミュータンスなど)は、歯の表面にすみつくので歯が生えていないと、たとえ口の中に入ってきてもすむ所がないので、唾液とともに飲み込んで胃に落ちてしまいます。
お子さんは7ヵ月とのこと、まもなく最初の歯が生えてくるころです。
いずれは虫歯菌も口の中(歯の表面)にすみつきます。
この菌の大部分はおうちのかたの口の中からうつります。しかしこれはさけられないことであり、箸やスプーンの共有や、食べ物が熱いか冷たいかを確認するため、おうちのかたが舌でさわったりするのはよいと思いますが、おうちのかたがかんだものを口移しであげるなどは、大量の菌を送り込むことになるのでやめた方がよいと思います。