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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 歯に関すること
歯に関すること0歳8ヵ月
寄せられたご相談
上下4本ずつ前歯が生えていますが、真ん中の歯が生まれつき黄色です。
8ヵ月の息子の歯の色に関してお聞きします。
現在上下合わせて8本の歯が生えそろっていますが、生え始めから両側の歯は白いのですが真ん中の歯はまるで黄色いラインが入ったように生えてきました。
原因は何でしょう? 何もせずに自然に治るものなのでしょうか?
先生からのアドバイス
池田 正一 先生
生え始めから黄色い場合は、先天的な要因も考えられます。時期をみて一度、小児歯科医に診てもらうとよいでしょう。
歯に色が着く原因は汚れの付着などいくつかあります。
歯ブラシで丁寧にみがいてあげると取ることができる場合もあります。
食べ物の色素の付着や初期の虫歯などが原因の場合は、簡単に取ることはできません。ただし、このような場合はいずれも後天的に歯が黄色くなるのですが、生え始めから黄色く線状についているようでしたら、エナメル質減形成が考えられます。
これは歯のエナメル質が形成中に、何らかの原因で一部が欠けてしまい、その部分にくぼみが生じ欠損し、象牙質(ぞうげしつ)の色が黄色く見えます。
その原因はまだはっきりしませんが、一般的に40週で生まれた赤ちゃんで約5%の割合で見られ、早産児で早期に生まれた(例えば26〜30週)場合には約70%に見られます。
すなわち乳歯の歯冠(歯の頭の部分)の形成は、胎生の6~7週からはじまり、石灰化は胎生の4~6ヵ月に開始されます。乳歯の形成や石灰化の途中で、母体や胎児に問題が生じると歯の表面に傷として残ります。これをエナメル質減形成といいます。
ご相談の場合は2本に見られるとのこと、エナメル質減形成の可能性が強いと思われます。その場合でも白くすることは可能ですが、治療の時期なども含め、一度小児歯科医に相談されるといいでしょう。