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総合監修:二瓶 健次 先生
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病気と予防アドバイス - その他の症状
夜眠っているときに3秒ほど呼吸が止まっていることがあります。子どもでも睡眠時無呼吸症候群にかかることがあるのでしょうか。
夜、眠っているときに3秒ほど呼吸が止まり、次に息をするときに「はぁ〜」と声が出るくらい、つらそうに息を吐きます。
最初に気づいたのは3歳半ごろだったと思いますが、風邪ぎみで鼻が詰まっているのかな、と思いました。でも最近は、風邪を引いていなくても、そのような状態のときが多くなってきたように思います。真夜中に多く、寝始めや明け方にはなることはありません。
睡眠時無呼吸症候群は子どもでもかかる病気でしょうか?
子どもでも、睡眠時無呼吸症候群はあります。夜間、睡眠時に呼吸が止まるようなことがあるようでしたら、一度小児科を受診なさるとよいでしょう。
夜眠っているときに、一時的に呼吸が止まるような状態が見られる場合を、睡眠時無呼吸症候群と呼びます。睡眠時の無呼吸のために睡眠障害が起こり、昼間に眠くなったり、集中力がなくなったり、昼間の仕事に支障をきたすことが社会問題にまでなっています。
無呼吸症は、睡眠中に息をしていないような状態になったり、睡眠中にいびきをかいたり、夜間に苦しくて起きてしまったり、朝起きたときの熟睡感がないなどの症状があります。
睡眠中の呼吸はその段階により不規則になる時期があるので、睡眠中ずっと観察してみれば呼吸が休んでいるように見えることは誰でもあります。したがって、少し無呼吸の状態があったからといってすぐに睡眠時無呼吸症候群と考える必要はありません。
成人では通常1晩に10秒以上続く無呼吸状態が30回以上、1時間に5回以上の無呼吸がある場合を睡眠時無呼吸症候群と言っています。詳しくは夜間睡眠中の動きや呼吸状態、血液中の酸素濃度などを調べることで診断されており、原因は空気の出入りする気道が夜間の睡眠中に狭くなることとされています。このほか、まれに呼吸中枢の働きが悪くなり、無呼吸を起こすこともあります。
睡眠時無呼吸症候群は、大人だけでなく乳児や幼児期の子どもにも見られます。
仰向けになると、大人に比べて大きい扁桃腺(へんとうせん)やアデノイド(咽頭扁桃:いんとうへんとう)が、気道の方に沈下して気道が狭くなって、無呼吸になることがあります。夜寝ている時に「イビキ」が強いのが特徴です。また、子どもでは気道がやわらかくて空気を吸ったときに、ぺちゃんとなり狭くなることがあります。このような原因で無呼吸状態が起こることもあります。
普通はこのような状態でも自然に元に戻り、問題がないことが多いですが、無呼吸が長く続いたり、回数が多かったり、長期間続くようであれば、夜間の睡眠が十分とれません。
昼間の日常生活にも支障をきたしますし、心臓にも負担がかかりますので、このような場合は原因の検索も含めて専門の小児科あるいは耳鼻科を受診することをおすすめします。