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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - その他の症状
いびきが大きく、鼻が悪いのではと言われました。
生後6ヵ月くらいのときから、寝ているときのいびきが、親戚(しんせき)や家族もビックリするくらい、普通の大人のように大きいので、私の母から「きっと鼻が悪いんだよ、病院で診てもらえば?」と言われました。いびきが大きいと何かの病気に関係があるのでしょうか? また、一度耳鼻科で診てもらった方がいいのでしょうか?
呼吸の通り道を狭くする何らかの病気が隠れている可能性がありますので、耳鼻咽喉(いんこう)科できちんと検査を受けることが必要と考えられます。
いびきだけでなく、たまに息をしているのを休んでいるよう(無呼吸)になっていることはありませんか? 寝ているときのいびき以外に、昼間の生活でも鼻が詰まって、口呼吸になっているようなことはありませんでしたか? ミルクなどを飲むときに、途中で苦しくなって休み休み飲んでいる、あるいは飲み方が不十分で体重増加のペースが遅れたようなことはありませんでしたか?
いびきが大きいということは、呼吸の通り道のどこかに狭い場所があることが考えられます。赤ちゃんのうちは、もともと鼻の空間が狭いので、ちょっとした炎症でも鼻詰まりを起こしやすいのですが、生後6ヵ月ごろから長期に続いているようですので、一時的な鼻炎等の炎症性疾患の可能性は低いと考えられます。
昼間の鼻詰まり症状も目立つようであれば、鼻および鼻の奥に問題が隠れている可能性があります。例えば、鼻の奥にあるアデノイド(咽頭扁桃:いんとうへんとう)というリンパ組織は、通常は3歳から6歳にかけて自然に大きくなって鼻詰まりを起こすことがあるのですが、人によっては1歳前後から大きくなって鼻詰まり症状を引き起こすこともあります。また、頻度として非常に少ないのですが、先天的に鼻の空間が狭い狭鼻症という病気も考えられます。
一方、口蓋(こうがい)扁桃肥大の影響や、あごが小さいことで、のど部分で空気の通り道が狭くなっている、あるいは舌の付け根の部分や発声・呼吸をつかさどる喉頭(こうとう)などの部分に先天的な嚢胞(のうほう:袋の中に水がたまったできもの)状のものがあって、それが呼吸の通り道を狭くしている可能性もあるかもしれません。
いずれにせよ、無呼吸があったり、大人のような大きないびきが長く続いているようでしたら、早めに耳鼻咽喉科を受診して、呼吸の通り道に何か問題が隠れていないか、きちんと確認してもらうことが必要だと思われます。