-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 皮膚に関すること
1ヵ月ほど前から唇のふちが黒ずんでいますが何か原因があるのでしょうか? また生まれたときは肌が白かったのですが、最近は浅黒くなっており、内臓などの病気や機能の問題があるのではと心配です。
1ヵ月ほど前から唇のふちが黒ずんでいます。何か原因があるのでしょうか?
また、生まれたときは肌がかなり白かったのですが、最近は浅黒くなっており、これと合わせて内臓などに病気や機能の問題があることの現れではないかと心配しています。
ホルモンの異常の場合と、少し色黒なだけの両方の可能性があります。一度総合病院の皮膚科または小児科を受診して、必要と判断されたら血液検査を受けた方がいいでしょう。
特に何にも異常がない普通のお子さんでも、1歳を過ぎるころから、乳児のころの肌の色と少し違ってきて、遺伝的に両親のどちらかから受け継いだ本来の肌の色になってきます。
特に外に出る機会も増えるので、顔や首、腕や脚などの皮膚の色が急にどんどん日焼けして黒ずんできます。
また、ご相談のお子さんのように、口の周囲というのは、さまざまな食べ物がついて軽い接触皮膚炎を起こしたり、塩分がついてかゆくなってこすったり、指しゃぶりで絶えず刺激されたりするために、色素沈着しやすい部位でもあります。
しかし、そういうことも何もなく、口の中の粘膜や、日焼けもしていないのに唇のふち、目の下、首、わきの下やそけい部(足の付け根)、へそのまわりなどが黒ずんできたり、全体に浅黒くなってきた場合には、ホルモンの異常という可能性が考えられます。
脳にある下垂体というところは、副腎(ふくじん)皮質ホルモン、成長ホルモン、性ホルモン、甲状腺(こうじょうせん)ホルモンなど、全身のさまざまなホルモンの分泌を調節するためのホルモンを分泌している中枢です。そこから分泌されるホルモンの中で、副腎皮質刺激ホルモンとメラニン細胞刺激ホルモンというのが、皮膚の色素沈着と大いにかかわってきます。
下垂体そのものの異常や、それらが支配・調節している副腎皮質の側に何らかの異常があって、副腎皮質刺激ホルモンや、メラニン細胞刺激ホルモンが過剰に分泌されると、皮膚の色素沈着が生じることがあります。
このとき、正常の人でもよく見ると他の部位よりも少し色が黒い部位(生理的色素沈着部位と言います)、口や目のまわり、わきの下、そけい部などや傷あとや虫刺されのあとなどに、特に強く色素沈着しやすくなるのが特徴です。
両親ともに色白で、特に親族に色の黒い人も見当たらず、日焼けも全然していないのに、色がとても黒くなってきたと感じられた場合は、一度総合病院の小児科または皮膚科を受診して、必要と判断された場合はまずは血液検査をしてホルモン異常の有無を調べてもらうとよいでしょう。
内分泌科という分野がある病院でしたら、そちらに紹介されるかもしれません。
色の黒い白いは主観的で、なかなか客観的に数量化できない症状なので、まずは異常か正常範囲内であるかを、専門家に判断してもらうことをおすすめします。