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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 皮膚に関すること
乾燥肌0歳8ヵ月
寄せられたご相談
肌はどうして乾燥するのですか? このままにしておいても大丈夫ですか?
生後半年ぐらいまで特に何の問題もなかった子どもの肌ですが、最近になって乾燥してきました。冬という季節も関係しているとは思いますが、どうして肌が乾燥するのでしょうか。このままにしておいても大丈夫でしょうか。
先生からのアドバイス
鈴木 博 先生
生後4〜5ヵ月を過ぎると、人の皮膚の表面を覆う皮脂膜の皮脂が減り始めるため、乾燥肌になってきます。まずはご家庭でできるケアをしてあげましょう。
人の皮膚の表面は「皮脂膜」という薄い油の膜で覆われ、その下に「角質層」があります。「角質層」には「セラミド」という角質細胞間を接着する脂質や「NMF(Natural Moisturizing Factor)」という天然保湿因子が存在し、「皮膚のバリア機能」として、皮脂膜とともに外部の刺激から肌を守り皮膚の水分バランスを保っています。
「乾燥肌」というのは、その皮脂膜の皮脂が少なくなり、角質層が乱れ、バリア機能が低下した状態をいいます。
生後半年を過ぎて乾燥してきたというのは、まさに子どもの肌の特徴と言えるでしょう。なぜなら子どもの肌は生後4ヵ月くらいまでは皮脂分泌が盛んですが、4〜5ヵ月になると皮脂が減り始め、5ヵ月を過ぎると次第に「乾燥肌」になるからです。1歳児ごろまでは基本的に「乾燥肌」と考えてもいいでしょう。
冬の室内は暖房で乾燥していたり、外は空気が冷たく乾燥しているなどの悪条件が重なり、さらに乾燥が目立ってきます。お子さんの乾燥肌に気づいたら、「ワセリン、保湿剤などで皮膚の表面に保護膜を作り、外部の刺激から肌を守る」「加湿器を使ったり、ぬれた洗濯物を干すなどして、部屋の乾燥を防ぐ」「入浴時は赤ちゃん用の石鹸(せっけん)など肌に優しいものを使う」などのケアをやってあげるとよいでしょう。
カサカサ肌が荒れてくる前に、早めのケアと予防を心がけてくださいね。