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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 皮膚に関すること
乾燥しがちで夏でもないのにとびひになりやすいようです。何か対策はないでしょうか。
3歳1ヵ月の男の子ですが、体が乾燥しがちで、夏でもないのに、とびひになりやすいです。
ベビーローションなどで、保湿には心がけていますが、あまり効果がありません。とびひについては、お医者様からいただいた薬があるので、それをつけたり飲ませたりしていますが、すぐにまたなってしまいます。
何か対策はないでしょうか?
とびひになったときに、細菌の種類やその薬が効いているかどうかを調べてもらい、効き目のある抗生剤をきちんと治るまで飲むことが、再発させないために大切です。
とびひは黄色ブドウ球菌または溶連菌という細菌が、皮膚に感染して増殖し、紅斑(こうはん)や水疱(すいほう)を作り、それが次々と皮膚の他の部位に飛び火して増えていく病気です。
黄色ブドウ球菌によるとびひは、夏に流行しやすく、次々と水疱を作っていくタイプですが、溶連菌によるものは、夏に限らず一年中見られ、あまり水疱を作らずに膿をもったり、厚いかさぶたになりやすいタイプです。
これらのとびひの細菌は、人からうつることもありますが、ご相談のかたのように、流行していない季節に何度も繰り返すというのであれば、自分自身の鼻やのど、皮膚などに常在している菌が乾燥肌でときどき引っかいてできる小さな傷に何度も感染を起こしているのだと考えられます。細菌が感染を起こすというのは、単にその場所に細菌がいるというだけでなく、増えてはびこっているということなのです。
対策としては、まずとびひになったときに、完全に細菌がなくなるまできちんと抗生剤入の軟膏を塗ったり、内服薬を飲むことです。だいたいよくなったからもういいやと、早めにやめてしまうことは再発につながります。
また何度も繰り返すとびひの菌は、よく使われている抗生剤に対して耐性をもっていて、実際にはあまり効かなくなってしまっていることがあります。
とびひで皮膚がむけている部位を綿棒で少しだけこすって滲出液(しんしゅつえき)を吸い取り、検査に出すと、どのような種類の細菌で、どんな薬が効くかがわかります。そうして調べたうえで、効果のありそうな抗生剤でその菌にねらいを定めて根治させることができます。
もうひとつの対策は、スキンケアです。乾燥肌があるとかゆみを感じやすく、ときどき無意識にかいてしまうので、そこに小さな傷ができ細菌が感染しやすくなります。
入浴時に石鹸(せっけん)でくまなく丁寧に、こすらないように洗った後、保湿剤をしっかりと塗っておきましょう。かゆみがあればかゆみ止めも塗ります。
また鼻水の中には細菌がいるので、うがい薬を使ってしっかりとうがいをし、鼻をよくかんで鼻水をためておかないようにすることも大切です。爪も常に短く切っておくようにしましょう。