-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 皮膚に関すること
口のすぐ下の皮膚を引っかいて傷を作り、かさぶたができるとまた引っかき、いつまでたっても治りません。早く治すよい方法があれば教えてください。
1ヵ月ほど前に口のすぐ下の皮膚を引っかいて傷を作ったのですが、カサブタができるとまたすぐ血が出るほど引っかいてしまい、いつまでたっても治りません。
ばんそうこうをはってさわらないようにしていた時期もあったのですが、口のまわりなので食事時など汚れてしまい、またテープにふれる部分が赤くなってきたので、やめました。化膿(かのう)したりはしていませんが、早く治すよい方法があれば教えてください。
かゆみを抑えるステロイド軟膏(なんこう)の上に亜鉛華軟膏を厚めに重ねて塗ると、薬がとれにくく、かゆみも収まります。くせになってしまう場合は、毎日言って聞かせたり、暗示にかけたりしてさわらせないようにしましょう。
口の周囲は、しょうゆや果物の汁などの食べ物やよだれがついたり、指しゃぶりなどさまざまな刺激が加わるため、接触性皮膚炎を起こしやすい部位です。刺激されるたびにかゆくなり、かいてしまうため、深い傷になってしまうこともあります。
いったん傷ができると、さらにその場所にまた食べ物やよだれなどがついていっそうかゆくなり、繰り返しかくので治る暇がありません。
また、薬を塗ってもすぐに手でこすりとってしまい、何かを飲んだり食べたり、うがいや歯みがきなどをする度にとれてしまうということもあります。ばんそうこうをはったとしても、このお子さんのようにかえってばんそうこうにかぶれて、さらに周囲の皮膚までかゆくなってしまい、湿疹(しっしん)が広い範囲に及ぶこともあります。
湿疹を治すためには、局所の安静と、さわったりかいたりしないこと、薬を塗ってとれないように保護することの3つが大切な条件なのですが、そのどれもがなかなか守れない場所です。
かゆみを起こさせないためには、飲食後は必ず口の周囲を水で丁寧に洗ってかゆみの原因物質を取り除き、そのあと、すぐにかゆみ止めの薬を塗ることです。
かゆみ止めとしては、ステロイド軟膏が最も効果的なのですが、顔には弱めのものを使います。そして、さらにその上から亜鉛華軟膏を厚めに重ねて塗ります。こうすることによって、先に塗ったステロイド軟膏の皮膚への浸透をよくし、外部の刺激から肌を守ります。
白い亜鉛華軟膏はこすると手がべとべとするので、それがいやで、次第にさわらなくなってくるかもしれません。
また、手に亜鉛華軟膏がべっとりついたら「病気が手にもうつるから絶対にさわらないようにしようね」などと何度も繰り返し言って聞かせて暗示にかけます。
夜寝る前や寝入ってからしっかり薬を塗っておくと、夜の間は最も安静が保てるため、かなり改善されると思われます。また、夜の間に無意識にかかないためには、寝る前にかゆみを抑える抗ヒスタミン薬を飲むのも効果的です。