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総合監修:二瓶 健次 先生
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体の部位アドバイス - 皮膚に関すること
冬になると乾燥性湿疹(しっしん)ができますが、完治しないうちにインフルエンザの予防接種を受けたところ湿疹ができ、原因がわからないと言われました。
冬になると乾燥性湿疹(しっしん)ができます。完治しないうちにインフルエンザの予防接種を受けたところ、湿疹ができました。
小児科を受診したら、水ぼうそうの予防接種を受けたあと、まれにかかってしまう例に似ているが、熱はないし水ぼうそうではない。乾燥性湿疹の塗り薬をつけて様子を見るように言われました。
皮膚科を受診しても、とびひでもなく、原因はわからないと言われました。
4月に入園を控えており、それまでに水ぼうそうなどの予防接種を受けさせたいと考えていますが、とても不安です。
インフルエンザワクチンに含まれる成分に対するアレルギー反応か、乾燥肌を引っかいたための湿疹のどちらかが考えられます。ステロイド軟膏(なんこう)の外用薬で治ると思われます。
ご相談のお子さんは冬になると乾燥性湿疹ができるということですから、おそらく乾燥肌でアトピー素因(アトピー性皮膚炎になりやすい体質)をもっていらっしゃると思われます。
乾燥肌、いわゆるドライスキンは、皮膚の表面がカサカサして粉を吹いたようになっていますが、これは皮膚表面の角層というところが乾燥しすぎて、少しずつはがれてきている状態です。
角層がはがれたり、浮いたりすると、皮膚の表面にすき間ができ、バリア機能が低下するので、ちょっとした刺激でも皮膚の中にまで影響がおよび、かゆみを感じたり、炎症を起こしやすくなるのです。空気が乾燥する冬になると皮膚の表面がますます乾燥し、体が温まったときや、ちょっと衣類とこすれたりしただけでもかゆくなり、いつの間にかかいてしまい、湿疹ができるのです。
ちょうどインフルエンザの予防接種をしたことがきっかけで、かゆみが生じ、かいて湿疹ができたという可能性はあります。
また、アトピー素因とは関係なく、インフルエンザをはじめ種々の予防接種の中に含まれている成分の何かに対して、アレルギー反応を起こし、全身にアレルギー性の湿疹を生じることがあります。
インフルエンザの生ワクチンそのものが原因であったり、生ワクチンの培養液のわずかな混入物や防腐剤などの添加物に対するアレルギーという場合もあります。
以前はワクチンの中に、チメロサール(水銀入り)という防腐剤の一種が入っており、このチメロサールに対して過敏な人が結構いることがわかってきて、チメロサールのかわりにフェノキシエタノールを保存剤として使用したワクチンが多くなってきています。
インフルエンザのワクチン成分だけに対するアレルギーであれば、この次の水痘ワクチンなら大丈夫かもしれません。
たまたま皮膚の乾燥がひどいときに予防接種をしたために、乾燥性湿疹がひどく誘発されたのでしたら、この次はスキンケアと軟膏でしっかりと湿疹を治して、皮膚をよい状態にしてから予防接種を行うとよいでしょう。
まずは、ステロイド軟膏と保湿剤でできちんと治しましょう。