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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 皮膚に関すること
全身にじんましんが出て、薬を飲ませて様子を見ましたが、翌日も全身に出てしまい、それから1ヵ月も出ます。肝機能の方に問題があるのでしょうか?
夜外食から帰ってきたら首から足まで全身にじんましんが出ました。
前に医者から出された抗ヒスタミン薬をその夜は飲ませ、様子を見ましたが、翌朝起きるなりおなか、足、背中と全身に出て、休日のため救急に行きました。
「じんましんですね」と言われ同じ薬をもらいましたがなかなか引かず、かかりつけの小児科に行き、採血、尿検査などした結果、問題ないそうです。
食物アレルギーの検査もしていますがマイナスです。現在は抗ヒスタミン薬を毎食前に飲ませています。もう1ヵ月にもなりますが、じんましんが出てから全身に出なかった日はありません。
元気で、食欲も普通、睡眠も取れていますが、肝機能の方に問題があるのでしょうか?
肝機能に問題があるかたは極めてまれですが、血液検査で異常がなかったとのことですから大丈夫かと思われます。じんましん以外にも、血管性浮腫(ふしゅ)や多型紅斑(たけいこうはん)など、じんましんに似た症状の別の病気という可能性もありますので、皮膚科や皮膚症状に詳しい別の小児科を紹介してもらうのもひとつの方法です。
じんましんにも種類があり、いろいろ違った原因で起こります。大人に比べると子どもでは食物アレルギーの症状として出現することが比較的多いのですが、それでもじんましん全体の原因の1割以下であると言われています。
それ以外にも物理的な刺激・日光・寒冷刺激・運動・入浴・汗・接触物質などさまざまな原因で起こるじんましんがあります。
その多くは原因が特定できない突発性のじんましんで、1ヵ月以内に治ってしまう急性じんましんとご相談のお子さんのようにそれ以上におよぶ慢性じんましんがあります。
ほとんどは抗ヒスタミン薬を飲んでいるとじんましんが次第に出なくなってくることが多いのですが、中には治癒までに何年もかかる人もいます。
肝機能に問題があるかたは極めてまれですので、血液検査で異常がなければ大丈夫だと思いますが、念のため検査をした医師に確認されるとよいでしょう。
子どもの場合は、じんましんが出る日でも元気なことが多いのですが、環境の変化や慢性的な心身のストレス負荷がかかっているときに、症状が出るお子さんが多いという印象があります。思い当たることがあれば、それを改善するように心がけるとよいでしょう。
また、じんましんの場合は、同じ場所に出っ放しということはなく、数時間で出たり消えたり、増えたり減ったりします。そうでなければ、血管性浮腫や多型紅斑などじんましんに似た症状の別の病気という可能性もありますので、皮膚科や皮膚症状に詳しい別の小児科を紹介してもらうのもよいでしょう。
一般に、大病院の救急外来を受診してセカンドオピニオンを求めても、専門医に診てもらえる可能性は低いと言えます。
通常の時間内に予約受診するのが最も確実です。急ぐときにはかかりつけの先生から一本電話を入れてもらうとよいでしょう。