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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 皮膚に関すること
生まれつきいぼがありますが、女の子なので手術したいと思います。
生まれつき、右耳にいぼがあります。さわるととてもやわらかいものです。
子どもは素直なので保育園や幼稚園でいじめられるのでは、と心配しています。女の子ですし、かわいそうなので手術したいと思っています。まだ11ヵ月ですが、生まれてから大きくなっている様子はありません。
メスを入れるなら、いつごろ、どこで切ったらよいでしょうか? 保険の利くようなところでは手術できませんか?
耳のすぐ前にあるやわらかいいぼ状の突起でしたら、副耳(ふくじ)が考えられます。まずは、皮膚科でご相談ください。
生まれつきの耳のいぼというと、副耳が考えられます。
副耳は、耳のすぐ前にできることが最も多いのですが、ときにはほおや首にできることもあります。胎児期に、耳介(じかい:外耳全体)ができていく途中で、ちょっとした形成異常が起こって、耳の一部がそこに残ってしまい、もうひとつの小さな耳のように見えることからそう呼ばれています。遺伝とは関係のない、胎児期の形成異常です。
中に、耳と同じような軟骨が入っていてさわるとコリコリしている場合と、軟骨はなくてやわらかい場合とがあります。ご相談のお子さんは、たぶん軟骨のないタイプと思われます。
軟骨がない方が、取るのは簡単で、局所麻酔の注射をして、根元から切除し、1、2針縫います。
小さい場合は、いぼの付け根のところを、糸できつく結んでおくだけで、1〜2週間で脱落することもあります。ただし、この方法ではわずかに小さな出っ張りが残ってしまうことがあります。
軟骨があるタイプは、きちんと手術して深い部分まで軟骨を取り除かなければなりません。
いずれにしても、局所麻酔だけで行える簡単な手術ですが、お子さんがじっとしていられないとできないので、普通は7歳以降くらいで、本人が納得のうえで行います。
もし、幼稚園などに行かれる前に取ってあげたいと思われるようでしたら、わずかな時間だけ全身麻酔をかけたり、麻酔ではなく睡眠薬のようなもので眠らせている間に局所麻酔で取ることができる場合もあります。
もちろん保険が利きますので、総合病院の皮膚科、または形成外科でご相談ください。