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総合監修:二瓶 健次 先生
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体の部位アドバイス - 皮膚に関すること
生まれつき皮膚がまだら模様(網目状)です。
生まれつき皮膚が、まだら模様(網目状)です。1歳半健診で、指摘されましたが、一過性なので問題ないと言われました。それと、よく手足の先が黄色っぽくなります。あまりよくない状態なのでしょうか?
網状皮斑(もうじょうひはん)と呼ばれている状態だと思いますが、元気な様子なら問題ないでしょう。手足が黄色っぽいのは、βカロテンの摂り過ぎによる柑皮症、もしくは貧血ぎみなのかもしれません。一度、小児科を受診して相談してみるとよいでしょう。
新生児から乳児の皮膚は、よく見ると網目状に赤く模様が見える場合があります。これは、網状皮斑と言って皮膚の真皮の深い層ないしは皮下組織のやや太い血管が透けて見えるためで、皮膚の血液循環の状態や皮膚の薄さと関連しています。
皮膚をはじめ全身にくまなく網の目のように張り巡らされている血管は、自分の意思とは関係のない自律神経によって調節されていて、血管を太く開いて流れやすくしたり、ぎゅっと縮んで狭くして血液が流れにくくなったりしています。
この自律神経の調整具合によって、皮膚の血液の流れ方はいろいろ変わり、皮膚がいろいろな色に変化したり、深いところの血管が透けて見えて網目模様に見えたりするのです。私の外来にも、ときどきこのような皮膚の網目模様を心配して受診されるかたがいますが、たいていほかに問題がなく、長い経過を見ていると2〜3歳ごろにはほとんどわからないくらいになってきます。皮膚が厚くなるためと、自律神経の機能がしっかりしてくるためと考えられます。
ただし、血液の凝固因子の不足や、そのほかの異常で血液が凝固しやすく、血管が詰まりやすいために網状皮斑が現れる特殊な場合もありますので、とても濃く目立つ網目模様で、まったく軽くなっていかないようでしたら、一度小児科または皮膚科を受診した方がよいでしょう。
また、手足の先が黄色っぽくなることがあるとのことですが、赤みが少なくて貧血ぎみか、もしくはβカロテン過剰症かもしれません。ミカンのようなかんきつ類、ニンジン、カボチャ、のりなどβカロテンを多く含む食品をたくさん食べていませんか?
βカロテンを多くとると大人でも子どもでも手のひらや足の裏が黄色っぽくなりますが、これは全く心配いりません。
肝臓などの障害で皮膚が黄色くなる(黄疸:おうだん)ことがありますが、この場合は眼球の白目のところ(眼球結膜)が黄色くなりますので区別がつきます。
また、貧血ぎみで皮膚の赤みが少ないと、やはり少し黄色っぽく見えることがあります。一度、受診して相談されるとよいでしょう。