-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
中耳炎2歳7ヵ月
寄せられたご相談
中耳炎を繰り返すと耳が聞こえにくくなるというのは本当ですか。
息子はよく中耳炎になります。
中耳炎を繰り返すと、耳が聞こえにくくなるという話を聞いて心配になりました。本当に聞こえにくくなるのですか。それは一般的に言われている中耳炎とは違う病気なのでしょうか。
先生からのアドバイス
末松 隆子 先生
おそらくそれは「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」のことだと思いますが、子どもの場合、「中耳炎」を繰り返すとなりやすいと言われています。「中耳炎」と違い耳の痛みや発熱はありませんが、耳の聞こえが悪くなります。
おそらくそれは「滲出性中耳炎」のことだと思います。
つばを飲むと、耳抜きができますね。ところが耳管機能が低下していると、この耳抜きがうまくできず、中耳に「滲出液」がたまってしまうことがあります。
これが「滲出性中耳炎」です。生まれつき耳管機能が弱かったり、アレルギー性鼻炎、副鼻腔(ふくびくう)炎、アデノイドの肥大などが原因となります。また子どもの場合、中耳炎が治りきらなかったり繰り返すとなりやすいと言われています。
「中耳炎」とは違い、耳の痛みや発熱はありませんが、耳の聞こえは悪くなります。
はっきりとした自覚症状がないため見過ごされがちですが、子どもでは軽度の難聴でも言葉の獲得に悪影響を及ぼすこともあるので、ふだんの生活の中で子どもの音に対する反応が鈍いと感じたら注意しましょう。
鼻やのどに原因となる要素があれば、まずその治療を行います。耳管に空気を通す治療などで耳管の換気を行っても滲出液が消失しない場合は、鼓膜切開をしたりチューブを挿入したりすることもあります。チューブ挿入後もアデノイドの肥大が原因で軽快しない場合は、アデノイドを切除することもあります。