-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
中耳炎2歳5ヵ月
寄せられたご相談
耳を清潔にしていたらかからないと思っていた「中耳炎」。風邪で鼻水が出たときに、ちゃんとかまないと中耳炎になるって本当ですか。
「中耳炎」は、耳を常に清潔にしていたらかからない病気だと思っていましたが、風邪で鼻水が出たときに、ちゃんとかまないと中耳炎になるという話を聞きました。それって本当ですか?
先生からのアドバイス
末松 隆子 先生
「中耳炎」は、耳の穴から菌が入って起こる病気でなく、風邪などでのどについたウイルスや細菌が中耳で炎症を起こす病気です。中耳にうみが充満して鼓膜を圧迫すると、強い痛みが生じます。
「中耳炎」は、耳の穴から菌が入って起こる病気ではありません。風邪などをひいて、鼻やのどについたウイルスや細菌が、のどから耳へとつながる耳管を通って中耳に達し、そこで炎症を起こす病気です。
中耳は鼓膜の奥にあるため、中耳が炎症を起こしうみが充満して鼓膜を圧迫すると、強い痛みが生じます。
ひどいときは鼓膜が破れ、うみ(耳だれ)が出てきます。うみが出てしまえば痛みは治まりますが、うみがたまってパンパンにはれている場合は、鼓膜を切開し、うみを出すこともあります。鼓膜は切開しても、自然に再生されるので問題ありません。
小さなお子さんの場合、「耳が痛い」ということを伝えられないこともよくあります。
風邪をひいたあとに熱がなかなか下がらなかったり、泣いてばかりいたり、耳に手をやったり、頭を振るなどの症状があったら、中耳炎に注意してください。
もし中耳炎にかかってしまったら、細菌を殺す「抗生剤」や、粘膜の炎症を抑える薬を服用します。中耳は薬が届きにくく、しかも鼓膜で空間がふさがれているため、もし菌が生き残っていると、中耳炎をぶり返すこともあります。
処方された薬は、医師の指示通り必ず飲みましょう。
風邪をひいた時にでる鼻水の中にはウイルスや細菌が多く含まれているので、上手に鼻をかむこと(反対側の鼻を押さえて、片方ずつ、強すぎないように、ゆっくり数回に分けて、しっかりかむ。)は大切です。鼻をかめない赤ちゃんの場合は、お母さんが鼻水器などで吸ってあげましょう。