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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
生まれつき右耳の上の部分が、左耳より折れ曲がったようにかぶさっていて、かたちが違います。
生まれつき右耳の上部分が、左耳よりも折れ曲がったようにかぶさっていて、かたちが違います。掃除をするときも綿棒を、奥まで差し込むようにしないと、汚れが取れません。生まれてからはしばらく、右ばかりで寝ていたからでしょうか? 今は、左向きや仰向けでも寝ています。成長するにつれて、いいかたちになっていくのでしょうか? 手術をした方がいいのでしょうか?
「折れ耳」と思われます。年齢を考えますと自然治癒は期待できませんので、気になるほどの変形であるならば、専門医にご相談のうえ、手術をご検討ください。
「折れ耳」あるいは「垂れ耳」と言われる状態と考えられます。
お子さんがお母さんのおなかの中にいるときに、何らかの原因で耳への持続的な圧迫が加わって耳介(じかい:外耳全体)が折れた状態になり、そのまま固定してしまうことが原因と言われています。
軽いものでしたら出生後に圧迫から解放されれば自然に治ってしまうこともあります。あるいは、新生児・乳児期にさまざまな装具を用いて耳介のかたちを矯正することもあります。
しかしながら、このような自然治癒あるいは保存的治療での症状改善が期待できるのは、耳介軟骨がやわらかい1歳ごろまでと考えられます。
ご相談のお子さんは既に2歳9ヵ月とのことですので、耳のかたちの修正には手術的な方法が必要と考えられます。
ただ、「折れ耳」の場合、聴力の障害を伴うことは通常ありませんし、それほど目立たない程度の症状であるならば、そのままお子さんの個性として受け入れてしまうことも考えられます。手術は現在では主に形成外科の医師が担当することが多くなってきていますので、小児領域を得意とする形成外科を受診してご相談なさることをおすすめします。
なお、折れ耳以外の先天的な外耳の変形の中には、ときに聴力障害を伴う場合がありますので、耳のかたちのほか、聴力に問題がないかにも気をつけていく必要があるかと思われます。