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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
のどのあたりがゼーゼーと言っている。将来、ぜんそくにならないか心配。
最近よくのどの辺りがゼーゼーと言っています。気管支が悪いのでしょうか?
将来、ぜんそくになったりするのではと心配です。熱もないし、せきが出ることもないので病院には行っていないのですが、心配です。
喘息の可能性はありますが、他の原因も考えられますので、症状が続くようであれば、検査を受けられることをおすすめします。
何らかの原因で呼吸の通り道(気道)が狭くなり、息を吸ったり吐いたりするときにのどや胸がゼーゼーする症状を「喘鳴(ぜんめい)」と言います。生まれつき扁桃腺(へんとうせん)や、のどの奥のアデノイドが大きくて、気道が狭くなることもあります。この場合は、とくに夜間に強くなる傾向があります。風邪などの炎症で、鼻水やたんが多かったり、気道の粘膜がはれていたりすることが原因となっていることもありますが、まれには先天性の気道狭窄(きょうさく)などが隠れている可能性もあります。
乳児期に比較的多いのは喉頭(こうとう)軟化症と言って、気道の構造が未熟でやわらかいために、呼吸の際に気管が狭くなって喘鳴をきたす病気です。病気といっても成長に伴って自然に症状がよくなる例が大部分ですので、ほかの重篤な気道狭窄等が存在しないことが確認されれば、そのまま無治療で経過を見ることになります。
炎症性で注意しなければならないのは、急性声門下喉頭炎(仮性クループ)という、声帯の下面の粘膜がはれて空気の通り道が狭くなる病気で、進行すると急激な呼吸困難に至る危険性があります。ケンケンという犬の遠ぼえのようなせき、呼吸の際の胸の陥没や肩で息を吸うような症状が出現したら要注意です。
また、子どもの場合、常に異物の可能性も疑ってみる必要があります。異物片がのどに引っかかってゼーゼーしているのに、症状がぜんそくと似ているために、異物の診断が遅れるケースがまれにあります。7ヵ月でゼーゼーが気になり出したこのお子さんの場合、せきや熱がないのであれば炎症性疾患が原因である可能性は低いものと考えられます。
ぜんそくの場合は、せきを伴い、通常は息を吐くときにヒューヒュー・ピーピーする音が胸から聞こえることになります。
小児科の医師が聴診器で呼吸の音を聴診すれば診断がつきます。いずれにしてもゼーゼーの症状が続くようであれば、何らかの気道狭窄が存在する可能性を考えて、一度小児科か耳鼻科の医師に診てもらうことをおすすめします。