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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
中耳炎1歳10ヵ月
寄せられたご相談
現在中耳炎で耳鼻科にかかっていますが、おしゃぶりが中耳炎の原因になると聞きました。
1歳10ヵ月の男の子です。片耳が中耳炎のために、現在耳鼻科に通い薬をもらっています。「水抜き」というのも2、3回して、よくなってきたところです。最近おしゃぶりが中耳炎の原因になると聞いたのですが、本当でしょうか? 息子はかんしゃくもちなので、精神安定のためにおしゃぶりは欠かせなかったのですが、中耳炎の原因になるのであれば心配です。
先生からのアドバイス
土橋 信明 先生
海外からの報告では、おしゃぶりと急性中耳炎との関連が疑われるとの指摘があります。急性中耳炎を繰り返す、あるいは滲出性中耳炎が長引いているお子さんでは、おしゃぶりによる耳への悪影響を考えて、中止を勧める耳鼻科ドクターが増えているようです。
海外からの報告では、おしゃぶりと急性中耳炎との関連が疑われるとの指摘があります。
おしゃぶりを続けることで、のどや鼻の空間に陰圧を生じ、そのことが耳と鼻をつなぐ「耳管」の機能に悪影響を与えることが原因とされています。
確かに、鼻の炎症が存在するときに、おしゃぶりによる嚥下(えんげ)動作を繰り返すことでのどや鼻の空間に、さらには中耳の空間に陰圧を生じ、鼻から耳へ細菌が流れ込みやすくなるという可能性は否定できないかもしれません。
また、もう少し大きなお子さんで、アレルギー性鼻炎による鼻水や、鼻がかゆくて「鼻すすり」を繰り返すことで、耳管を通しての中耳の圧調整機能に障害を生じ、滲出性(しんしゅつせい)中耳炎になりやすい、あるいは治りにくくなるという例も少なくありません。
実際、おしゃぶりに関連する中耳炎は、私は個人的にはほとんど経験したことはないのですが、鼻水や鼻閉などの鼻の炎症を起こしているときや、急性中耳炎を繰り返す、あるいは滲出性中耳炎が長引いているお子さんでは、おしゃぶりによる耳への悪影響を考えて、中止をすすめる耳鼻科ドクターが増えているようです。