-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
夜寝るときになると鼻が少し詰まりぎみで、鼻呼吸が苦しいようです。日中は鼻水、鼻詰まりもなく、ひどいくしゃみもありません。原因は何でしょうか?
鼻詰まりについて相談です。
お昼寝のときは口を閉じてすやすや眠っていますが、夜寝るときになると鼻が少し詰まりぎみになり、鼻呼吸が苦しいのか最初は口呼吸をしていて寝そうになり自然に鼻呼吸に移ると「くぉっくぉっ」と鼻が詰まり、泣いて寝つけないようです。そのとき、ときどき鼻をこすったりもしています。しかし日中は鼻水は出ていませんし鼻詰まりもなく、ひどいくしゃみもありません。考えられる原因は何でしょうか?
アレルギー性鼻炎の可能性が考えられますが、それ以外の要因も含めて、耳鼻咽喉(いんこう)科での精密検査をおすすめします。
お子さんの鼻詰まりの原因としては、アレルギー性鼻炎、副鼻腔(ふくびくう)炎、アデノイド(咽頭扁桃:いんとうへんとう)増殖症などが一般的です。
また、非常にまれな例として、先天性の狭鼻症などの特別な病態も考えられます。
ご相談の内容のみからでは判断が難しいのですが、お昼寝のときと夜の睡眠時で、寝る場所が異なっているとしたら、アレルギー的な要因が関与している可能性があるかもしれません。
お子さんの夜寝る場所の環境はどうなっているのでしょうか? 小さなお子さんでも、ハウスダストやダニに対するアレルギーをもっているかたは少なくありませんので、寝室の環境に問題があって、夜間のみアレルギー性鼻炎の症状があり、鼻詰まりを生じている可能性が考えられます。夜には鼻をこするしぐさが見られる点も、アレルギーを示唆する症状であるとも考えられます。
また、夜寝るときに、ぬいぐるみなどを抱えてはいませんでしょうか? ぬいぐるみのほこりやダニがアレルギー性鼻炎症状を誘発している可能性も考えられます。
しかしながら、昼間にはアレルギーらしき症状が認められないようですので、本当にアレルギー性鼻炎があるか否かは判然とはしません。
一方、アレルギー以外の原因として、1歳のお子さんでも、アデノイドの増殖で鼻の奥の空間が狭くなり、いびきや無呼吸を生じる可能性はあります。ただ、その場合は昼寝のときでも同様の症状が出現したり、起きているときにも鼻詰まり、口呼吸が目立ってくると考えられますので、ご相談のお子さんの症状には合致しないように思われます。また、副鼻腔炎の場合も、1日のうちで夜間のみに症状が目立つことは考えがたいと思われます。
耳鼻咽喉科を受診して、アレルギー性鼻炎をはじめとする可能性のある疾患についての精密検査を行われることをおすすめします。