-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
言葉の発達で少し気になることがあります。生後3ヵ月のころに、大きな音に反応することがなく、音の出るおもちゃを異常にいやがりました。耳鼻科を受診する方がよいのでしょうか?
言葉の発達で少し気になることがあり耳を疑っています。
1歳6ヵ月のときから単語の習得はあまり見られず、ひとつ増えふたつ増えと増えはするものの、会話につながることもなく、言葉の世界が広がりにくいです。生後3ヵ月のころに大きな音に反応することがなく、音の出るおもちゃを異常にいやがります。歌やCD・歌の出る絵本は好きです。
言葉を広げようと、ゆっくり話してわかるように言ってやるのですが、オウム返しで返ってきた言葉は『たたた』など音だけを発します。1歳でアレルギーぜんそくが判明し、体調が悪いときや気候でゼイゼイが出ることもあり、スイミングに通い体を丈夫にしているところです。
過去に軽い中耳炎や蓄膿(ちくのう)症にもなっています。耳鼻科を受診する方がよいのでしょうか?
言葉が遅いのは聞こえの問題だけではありません。小児神経科を受診され、聞こえの検査も含めて発達全般についてご相談されるとよいでしょう。
言葉の発達が遅れる原因のひとつに聞こえの問題があります。
軽い難聴の場合、ある程度言葉の発達はしますが発音が不明瞭(ふめいりょう)であったり、2語文にならないことがあります。
聞こえの検査として、ヘッドフォンで音を聞かせて、頭につけた電極で音に対する脳の反応を感知して音が聞こえているかどうかを調べる、聴性脳幹反応(ABR)という検査があります。この検査は乳幼児でも客観的に測定することができ、大きな病院であれば可能です。
ご相談のお子さんは大きな音には鈍感、おもちゃの音などには敏感なようです。
誰でも好きな音、嫌いな音はありますが、ある特定の音に対して異常に反応するといった感覚の過敏さは、聞こえというより発達の問題が絡んでいることがあります。
また全般的な精神発達がゆっくりな場合も言葉が遅れます。
ものの理解や認知が悪いというだけではなく、運動機能やコミュニケーションに問題があると、言葉の獲得に時間がかかることが多いのです。
名称を言われてものを指差す、指差しで人に伝えるなどの指差しができる、動作模倣ができる、大人の言っている言葉を理解して指示に従える、出てくる言葉は少なくても人とのコミュニケーションがとれるなどが可能でしたら、時間はかかっても言葉は発達してきます。しかしそうではない場合は発達の問題があると考えられます。
言葉を伸ばすためには、お子さんが興味を向けている遊びを十分にさせ、満足感をもたせてあげることが大切です。遊ぶことにより物事の理解を深め、さまざまな発達をしていきます。また、言葉の発達を促すためにも全身運動はとても大切ですので、ぜんそくのためのスイミングは続けるとよいでしょう。
言葉の発達には個人差がありますが、少しでもご心配な点があれば小児神経の専門医がいる医療機関を受診し、聞こえの検査も含めて発達についてご相談されるとよいでしょう。また、お子さんの場合、症状があまりなくても浸出(しんしゅつ)性中耳炎などがあり、そのために聞こえが悪いことがありますので耳鼻科にもみてもらっておくのもよいでしょう。