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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
いびきと陥没呼吸が続き、扁桃(へんとう)肥大と診断されました。陥没呼吸が続く場合、胸郭や肺などに負担をかけることはないのでしょうか?
いびきと陥没呼吸が続き耳鼻科で扁桃肥大と診断されました。様子を見るよう言われましたが、陥没呼吸が続く場合、胸郭や肺などに負担をかけたりするようなことはないのでしょうか?
高度のいびきや陥没呼吸の症状が続く場合、心臓に負担をかけたり、長期的には胸郭の変形を生じる可能性もありますので、状況によって肥大した扁桃腺(へんとうせん)の切除手術も考慮する必要があります。
のどの奥の両わきにある口蓋(こうがい)扁桃は、感染防御の役割を担うリンパ組織ですが、3〜6歳ごろに自然に大きくなる生理的肥大の時期を迎え、その後は徐々に小さくなっていくのが普通です。
扁桃炎などの炎症を繰り返すと、より大きくなる傾向もありますが、単に大きいだけで炎症を繰り返さず、特に体への悪影響がないのであれば、そのまま様子を見て問題ないと考えられます。
しかしながら、扁桃腺が極端に大きい場合には空気の通り道を狭めることになり、結果として夜間のいびきや無呼吸を生じる可能性があります。
その場合、鼻の奥にあるアデノイド(咽頭(いんとう)扁桃)も大きくなっていることが多いようです。また、口蓋扁桃の肥大は、食べ物の飲み込みにも影響し、口の中で食べ物をいつまでもかんでいて飲み込まず、食事に時間がかかる原因ともなります。
ご相談のお子さんは、扁桃腺が大きいことによるいびきと陥没呼吸(のどの狭い部分を通して呼吸をしなければならない場合、息を吸うときに、胸により強い陰圧をかけて吸い込む必要があり、気管や肋骨(ろっこつ)のやわらかいお子さんでは、その強い陰圧のために、のどや胸の部分がペコペコと凹んだようになる状態)があるとのことですが、陥没呼吸を生じるほどであれば、空気の通り道の狭窄(きょうさく)は相当高度である可能性が考えられます。おそらく、気がつかないところで無呼吸も生じているのではないかと思われます。
このような苦しい呼吸状態が続く場合、酸素の取り込みが不十分となって、心臓に負担をかけることが考えられますし、長期にわたった場合には、漏斗胸(ろうときょう)などの胸郭変形をきたす可能性もあるかもしれません。
お子さんの夜間の呼吸状態を今一度よく観察して、陥没呼吸や無呼吸が目立つようであれば、アデノイドや口蓋扁桃の切除手術により、呼吸の通り道を広げることを考慮する必要があると考えます。