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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
鼻がよく詰まり、おっぱいを飲むときなど苦しそう。家でのケアはどうすればよいでしょうか?
鼻がよく詰まり、市販の赤ちゃん用の鼻水吸い取り器(大人がチューブで鼻水を吸い取るもの)で吸い取ってあげようとするのですが、とてもいやがり、実際には使わせてくれません。おっぱいを飲むときなど、口もふさがるので、苦しそうです。鼻詰まりのときに家でケアはできないものでしょうか?
鼻水吸い取り器の使用が困難であれば、直接口で吸い取ることも考えられます。
赤ちゃんはもともと鼻の空間が狭く、わずかな炎症による鼻粘膜の腫脹(しゅちょう)でも容易に鼻詰まりを生じます。また、生後半年程度までは鼻からの呼吸が中心で、口からの呼吸による代償が不十分ですので、鼻詰まりがあると呼吸困難を生じる可能性があります。口からの呼吸で代償できるようになっても、ご相談にあるように、哺乳時(ほにゅうじ)の呼吸に問題を生じることになります。
鼻詰まりの際の家庭でのケアとしては、やはり市販の鼻水吸い取り器の使用が最も有効と考えられます。確かに吸い取る瞬間には赤ちゃんはいやがることとは思いますが、鼻詰まりの原因となっている鼻水がなくなれば、その後は呼吸が楽になるのですから、吸い取る一瞬をがまんしてもらえれば、この方法が有効と思います。
器具の使用が難しいようであれば、器具を使用せず、おうちのかたが、直接赤ちゃんの鼻に口をつけて、鼻水を吸い取ってあげる方法も考えられます。やり方は、吸い取り器の場合と同様、赤ちゃんの顔か頭を軽く抑えながら、直接赤ちゃんの鼻に口をつけて吸い取ります。体勢は仰向けでも、起きた姿勢でも構いません。吸うときはあまり強く吸い過ぎないようにしてください。できれば片方ずつのほうが望ましいですが、片方の鼻を押さえてもう一方の鼻から吸い取るのが難しい場合は、強く吸いすぎなければ両方一緒でも問題ないと思います。点鼻薬を併用すれば、より効果的に鼻水を吸い取ることができます。
また、鼻詰まりの原因となっている炎症に対する治療も必要でしょう。さらに、ときとして鼻の奥にあるアデノイドの増殖や狭鼻症等の先天性の構造異常が鼻詰まりの原因となっている可能性もありますので、症状が続いたり繰り返したりするようであれば、耳鼻科を受診して必要な検査・処置・処方を受けることをおすすめいたします。