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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
耳について3歳2ヵ月
寄せられたご相談
耳たぶの付け根が切れてなかなか治りません。
3ヵ月ほど前から耳たぶの付け根が切れて、なかなか治りません。小児科でステロイド剤の薬を出され塗ってはいますが、忘れるとまた切れ完治しません。
なぜ切れてしまうのでしょうか? 親の私も寒くなるとなることがありますが、薬を塗れば治ります。遺伝、もしくは栄養不足などでしょうか。
先生からのアドバイス
馬場 直子 先生
耳が切れる症状は、皮膚が乾燥しやすいアトピー性皮膚炎の体質が基礎にあると思われます。きちんと薬を塗って治し、こまめにワセリンなどを塗って予防しましょう。
耳が切れる症状はアトピー性皮膚炎の代表的な軽い症状のひとつです。全身に典型的なアトピー性皮膚炎の症状がなくても、軽い乾燥肌でときどき耳が切れる程度のごく軽いアトピー性皮膚炎の人がいます。
なぜ、耳が切れやすいかというと、衣類の脱ぎ着の度に耳が引っ張られるような力が働くことと、本人か耳をいじったり、引っ張ったり、掻いたりする度に、耳たぶの付け根が引っ張られるためです。
耳たぶの付け根は、構造上どうしても引っ張られて切れやすいのです。
特に皮膚が乾燥しがちで、バリア機能の弱いアトピー体質の人はなおさら切れやすい傾向にあります。切れるとすぐに血がにじみ、滲出液(しんしゅつえき)が出てくることもあります。そうしてかさぶたができ、ようやく治りかけてもまたすぐ引っ張られ、繰り返すことになります。
滲出液が出ているようなときは、ステロイド外用薬を塗って早く治し、治っても油断せずにワセリンのような保湿剤を塗って、乾燥を防ぎ、再発を予防します。
そして、衣類の脱ぎ着のときは、耳が引っ張られないように常に注意してあげることが予防になります。