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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
耳について0歳6ヵ月
寄せられたご相談
副耳(ふくじ)があり、一度ひもで縛って取ったのですが、しんが残ってしまいました。
6ヵ月の女の子です。副耳(ふくじ)があります。一度ひもで縛って取ったのですがしんの部分が残ってしまいました。取るべきでしょうか? もし切除するなら全身麻酔と聞いたことがあるのですが、全身麻酔は大丈夫ですか?
先生からのアドバイス
土橋 信明 先生
外観上や美容上、特に気にならない程度であるならば、そのまま放置して問題ありません。
副耳(ふくじ)は、赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいる間の耳介の形成異常によって生じる先天性の疾患です。
多くの場合、耳のすぐ前方の皮膚に、小さなやわらかいこぶ状の出っ張りとして認められるようです。頻度は1.5%程度と言われていますので、決して珍しい病気というわけではありません。しかしながら病気と言っても機能的には特に支障はありませんので、外観上、美容上の問題を念頭に手術をした方がよいかを判断することになります。副耳の根っこの部分には軟骨成分を伴っていることが多く、手術の際にはその軟骨部分を含めて切除しないと、あとにしこりが残ったようになります。
ご相談のお子さんは、簡易的にひもで縛って副耳の皮膚表面から飛び出している部分のみを取り除いたかたちになりますので、軟骨からなるしんの部分が残ってしまったようです。外観上、美容上の問題がなければ、そのまま放置して特に問題はありません。手術を希望される場合でも、急ぐ必要はありませんので、局所麻酔での手術が可能になる小学生くらいまで待ってもよいと思います。早期に全身麻酔での手術を行う場合にも、施設によっては外来手術での対応が可能です。なお、全身麻酔のリスクについては、どのような内容の手術であっても、ある一定の確率ではトラブルを生じる可能性を避けえませんが、きちんとした麻酔管理を行えば、そのリスクは極めて低いと考えられます。