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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
たまに鼻血を出すが、耳鼻科を受診した方がいいのでしょうか?
たまに鼻血を出します。どこかにぶつけたわけでもないのに、朝起きるとシーツについていたりします。急に鼻血が出ることもありますが、それほど長い時間ではありません。1ヵ月に1、2度ですが、受診した方がいいのでしょうか?
短時間で止まる鼻血であれば、あまり心配する必要はないと思われますが、頻繁に繰り返すようであれば、何が鼻血を起こしやすくしているのか、耳鼻科で検査してもらってください。
鼻中隔(左右の鼻の真ん中の仕切りの壁)の前方、鼻の入り口から1cm程度入った部分は、比較的太い血管が鼻粘膜の表面付近を通っているために、鼻出血しやすく「キーゼルバッハ部位」という名前で呼ばれています。
お子さんの鼻血の大部分はこのキーゼルバッハ部位から生じています。特に理由なく出血する場合もありますが、副鼻腔炎(ふくびくうえん)やアレルギー性鼻炎のために、鼻の粘膜が炎症を起こして出血しやすくなっていることが多いようです。
また、子どもの場合、指を鼻の中に入れて、粘膜を傷つけてしまうことも少なくありません。いったん傷ができると、しばらくの間は傷口が開きやすくなっていますので、繰り返し出血することもあります。短時間で止まる鼻血であれば、血液凝固異状などの全身的要因が関与している可能性は低いものと考えられますが、頻繁に繰り返すようであれば、やはり何が原因となっているかを、耳鼻科で検査してもらった方がよいでしょう。
治療としては、鼻の中にできた傷の部分を、軟膏(なんこう)などで保護して再出血を予防すると同時に、鼻粘膜の炎症の原因となる鼻・副鼻腔疾患を合併しているならば、これらに対する治療も並行して行う必要があります。
家庭での鼻出血の応急的な止血方法ですが、出血している側の鼻の中にティッシュや綿球を詰め、外側から鼻をつまむように5分程度押さえることで止血する方法が考えられます。鼻出血の出やすいキーゼルバッハ部位に向かって、しっかりと圧迫することがポイントです。