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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
左だけ鼓膜が少しへこんでいると言われました。うみなどがたまっているわけでもなく、軽い症状なので、このまま様子を見ましょうと言われましたが、大丈夫でしょうか。
3歳児健診で耳に異常があると連絡がありました。耳鼻科で診てもらうと、健診のときは左右共異常だったそうですが、右は治っていて、左だけ鼓膜が少しへこんでいると言われました。うみなどがたまっているわけでもなく、軽い症状なのでこのまま様子を見てもいいでしょうと言われました。
この病気は治療しても簡単によくなるものでもないと聞きますし、大きくなると自然によくなるとも聞いたことがあります。特に耳の聞こえが悪いと感じることはないのですが、よく鼻水が出て長引きます。このまま様子を見てもよいのでしょうか?
滲出(しんしゅつ)性中耳炎の軽症型、「耳管」の機能がわずかに低下した状態と考えられます。今後、症状が進行する可能性も否定できませんが、現段階ではこのまま経過を見て問題ないと思われます。
鼻と耳をつなぐ「耳管」の機能がわずかに低下している状態と考えられます。
鼻の奥の炎症や、アデノイド(咽頭扁桃(いんとうへんとう):鼻の奥にあるリンパ組織)の増殖などによって、耳管を通しての中耳腔(ちゅうじくう)の空気の入れ替えが不十分になりますと、鼓膜が内側に引き込まれて耳がボーッとした状態になり、耳の閉塞感(へいそくかん)を感じることがあります。山に登ったときや飛行機あるいは高層ビルのエレベーターなどで生じる耳の詰まった感じと同じ状態です。
症状がひどくなれば、鼓膜の内側に滲出液がたまる滲出性中耳炎の状態になり、耳の聞こえが悪くなることもあり、その状態が長く続くようであれば、鼓膜に小さな換気用のチューブを挟み込む手術を行うことも考えられます。
一般に、3歳から6歳くらいまでの間は症状が進行する可能性がありますが、その時期を越えれば自然に軽快していくお子さんが多いようです。
ご相談のお子さんは、わずかに鼓膜が内側にへこんでいる程度とのことですので、耳の状態悪化の目安となる、鼻水やアデノイド増殖、いびき・無呼吸などの症状を認める場合は受診をお勧めしますが、症状がなければ、当面はこのまま経過を見て問題ないと思われます。