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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
最近よく鼻をさわって泣き出します。眠たいときや機嫌が悪いときに「いたーい」と言います。
1歳9ヵ月になる娘が、最近よく鼻をさわって泣き出します。日中は、あまりさわらないのですが、眠たいときや機嫌が悪いときに、思い出したようにさわり「いたーい」と言います。泣き方や、言い方を聞いていると、めちゃくちゃ痛いわけではないようです。鼻くそが詰まっているようでもなく、鼻も詰まっていません。ただ、よくいびきをかいています。副鼻腔炎(ふくびくうえん)かなと思うのですが、様子を見ていて大丈夫でしょうか?
明らかな炎症症状はなく、副鼻腔炎等の可能性は低いと考えられますが、同じような状況が長く続くのであれば、一度耳鼻咽喉(いんこう)科を受診して、鼻とその周辺部をよく診察してもらった方がよいでしょう。
お子さんの鼻に生じる痛みの大部分は、炎症性疾患が原因と考えられます。副鼻腔炎による鼻の炎症がひどくなると、頬(ほお)の部分の鈍痛や歯の痛み、頭痛等を生じることになります。しかしながら、そのような場合には膿性(のうせい)のドロドロした鼻汁を伴い、鼻詰まりもひどい場合が多く、お子さんの症状からは、そこまで重症の鼻・副鼻腔の炎症が存在する可能性は低いと考えられます。
一方、鼻詰まりは気にならないとのことですが、いびきの症状があるようですので、ごく軽度の鼻・副鼻腔の炎症やアレルギー性鼻炎、アデノイド等の疾患が存在する可能性は考えられると思います。本当に「いたーい」と感じているかどうか疑わしい状況もあるようですので、軽度の鼻・副鼻腔の炎症による不快感や、アレルギー性鼻炎によるムズムズ感、違和感等を「いたーい」と表現していることも考えられます。
また、鼻の入り口の皮膚と粘膜周辺に、湿疹(しっしん)や傷があって、そこから痛みが生じている可能性も考えられます。お子さんの場合、鼻の穴に指を入れて、皮膚や粘膜を傷つけてしまうことは珍しいことではありません。鼻せつといって、おできのような状態になると、強い痛みやはれを生じることになりますが、軽い湿疹程度ですと、痛みをあまり強く訴えないことも考えられます。
さらに、お子さんの場合、常に異物の可能性を疑ってみる必要があります。異物を入れてしまって、そのことをうまく説明できずに「いたーい」と表現していることも考えられます。
ご相談の内容からは、明らかな鼻の症状はないようですので、このような疾患が隠れている可能性は低いと考えられますが、同じような状況が長く続くのであれば、一度耳鼻咽喉科を受診して、鼻とその周辺部をよく診察してもらった方がよいでしょう。