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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
瞬発的な大きな音にはビックリしますが、近くの音などにはあまり反応しません。特に右耳がそちらを向くことがあまりないので、ちゃんと聞こえているのかが心配です。
瞬発的な大きい音にはビックリしますが、近くの音(声のする方やガラガラの鳴る方など)にはあまり反応せず、特に右耳がそちらを向くということがあまりないので、ちゃんと聞こえているのか心配です。4ヵ月健診時に聞いたら、6ヵ月にまたテストをしてみて、と言われましたが、それまでは様子を見ていて大丈夫でしょうか?
難聴の可能性を完全に否定することはできませんが、聴力の精密検査を行う際に赤ちゃんに与える負担や、仮に難聴がある場合に補聴器装用を開始する時期を考えれば、次回の6ヵ月健診までは、そのまま経過を見て問題ないものと考えます。
大きな音にしか反応しないとするならば、軽度から中等度の難聴が隠れている可能性や、特に右からの音への反応が不良であるならば、右の一側性難聴の可能性もあるかもしれません。しかし、実際にはまだ4ヵ月ですので、小さな音への反応が安定しなくても、必要以上に心配することはないと思われます。
ご相談のお子さんは、お誕生時に産院で新生児の聴覚スクリーニング検査は受けていらっしゃるでしょうか? 先天性の難聴は出生1,000〜2,000人に1人程度の確率で生じると言われています。新生児の聴覚スクリーニングはそのようなお子さんを発見して、より早期に補聴器や人工内耳などの必要な療育手段を提供することを目的に行われています。まだ全国的にすべての赤ちゃんを検査する態勢が整っているわけではありませんが、スクリーニングの結果が問題ないようであれば、一応は現段階であまり心配する必要はないと考えられます。
しかし、出生時に低酸素や黄疸(おうだん)が強かったなどの症状があったり、ご家族に難聴のかたがいらっしゃる場合には、難聴発生のリスクがより高まることになります。
さらに、生まれたあとに何らかの原因で難聴を生じる可能性も「ゼロ」ではありませんので、スクリーニング検査で問題がなかったとしてもまったく安心という訳ではなく、気になる症状があるならば、必要に応じて精密検査を行うことも考えられます。ただし、赤ちゃんに聴力の精密検査を行う場合には、睡眠剤の使用が必要となるなど、ある程度は体への負担もあることも考慮しなければなりません。
また、仮に言語の発達に影響を及ぼすほどの難聴であると判明した場合には、6ヵ月から1歳を目処(めど)に補聴器の装用を行うことになります。
ご相談のお子さんはまだ生後4ヵ月ですので、今後も引き続き注意して経過を見ていく必要はあるでしょうが、さしあたりは次回の6ヵ月健診まで、そのまま経過を見て問題ないものと考えます。